一人親方とは?行なうべき4つの手続きやコロナ給付金に関する情報を解説

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 個人事業主として自分一人だけで働いている、または家族と一緒に働いている場合、「一人親方」と呼ばれることがあります。一人親方として働く場合、公的にどのような手続きをすべきなのか、具体的な方法について知りたいという方もいるでしょう。

 個人として仕事をする場合、確定申告は避けて通れません。健康保険や年金の手続きも必要です。さらに、仕事中や通勤途上でのケガ等も考えると労災保険の特別加入も必須です。特に建設業の一人親方の場合、最近では労災保険に特別加入している証明書を現場入場にあたって求めれることが多くあります。

 また、一人親方に該当する人で、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、コロナ給付金が気になっているという方もいるかもしれません。

 このように一人親方になると仕事以外でもやるべきことというのはたくさんあります。

 この記事では、一人親方が行なう手続きの種類や方法を解説し、コロナ給付金に関する情報も併せてご紹介します。

 この記事の内容は下記の動画で確認することもできます。


目次[非表示]

  1. 1.一人親方とは?
    1. 1.1.一人親方に該当する具体的な条件
    2. 1.2.働き方によって異なる一人親方の種別
  2. 2.一人親方に必要な4つの手続き
  3. 3.確定申告の手続き
    1. 3.1.種類に分かれる確定申告方法
    2. 3.2.確定申告で経費となる項目
  4. 4.労災保険への特別加入手続き
  5. 5.社会保険と共済への加入手続き
    1. 5.1.加入すべき社会保険
    2. 5.2.加入すべき共済
  6. 6.民間保険への加入手続き
  7. 7.一人親方の場合コロナ給付金は受給できるのか?
  8. 8.まとめ


一人親方とは?

 一人親方とは、従業員を雇用せず自分のみ、または自分の家族と事業を行なっている事業主を指します。建設業を中心に見られる事業形態ですが、大工工事業や電気通信工事業、林業、漁業などにも当てはまります。

一人親方に該当する具体的な条件

 以下のいずれかの条件を満たしている場合、一人親方に該当する可能性があります。

  • 雇用関係ではない請負元がある
  • 仕事を請負うか否かは自分で決めている
  • 請負元の就業規則に従って働くわけではない
  • 就業時間や作業量は自分で決める
  • 業務に必要なものや人材などは自分で用意する
  • 報酬は出来高払いであり月給や時給ではない

働き方によって異なる一人親方の種別

 ひと口に「一人親方」といっても働き方によって種別が異なり、請負としての働き方に近いケースと、労働者としての働き方に近いケースの2種類があります。

 例えば、請負としての働き方に近い一人親方は、スケジュールにない仕事は拒否できること、一日の仕事量と作業方法は自分の判断で決められること、報酬は出来高払いであることなどが特徴です。

 一方、労働者としての働き方に近い一人親方は、予定になかった仕事でも断れないこと、毎回請負元の指示を受けてから仕事をすること、勤務時間に応じて報酬をもらうことなどが特徴として挙げられます。


一人親方に必要な4つの手続き

 一人親方は個人事業主として扱われるため、以下の4つの手続きを行なわなければなりません。

  1. 確定申告の手続き
  2. 労災保険への特別加入手続き
  3. 社会保険と共済への加入手続き
  4. 民間保険への加入手続き

 1の確定申告の手続きは税金を支払うために必要な手続きで、1年間の所得を算出したうえで税務署へ申告します。毎年1月1日~12月31日に発生した所得に関して、通常は翌年の2月16日~3月15日に申告し所得税を納めます。確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。

 2の労災保険への特別加入手続きは、一般の労災保険が適用されない一人親方が、特別に労災保険に加入するための手続きを指します。

 3の社会保険と共済への加入手続きは、国民年金や国民健康保険といった社会保険、および小規模企業共済に加入するための手続きです。

 4の民間保険への加入手続きは、賠償責任保険や収入保障保険に加入するための手続きを指します。これは、公的な保険では保障されない部分をカバーするのが目的です。

それぞれの手続きについて、次から詳しく解説していきます。

確定申告の手続き

 一人親方は、契約形態によって納税の手続き方法が異なります。

 契約形態が雇用契約の場合は年末調整、請負契約の場合は確定申告が必要です。ここでは請負契約の場合に絞って、確定申告の種類や申告方法を解説します。

種類に分かれる確定申告方法

 確定申告の方法は、青色申告と白色申告に分かれます。

 青色申告は、白色申告と比較するとメリットが多い申告方法で、具体的には以下のような特徴があります。

  • 65万円の控除を受けることが可能
  • 赤字は3年間繰り越したうえで所得収入と相殺
  • 家族への給与は全額必要経費として扱われる
  • 減価償却資産は30万円未満であれば一括で経費にできる

 青色申告は節税対策になるため、個人事業主である一人親方にとってもメリットが多いといえます。青色申告をする場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を開業後1ヵ月以内、「所得税の青色申告承認届出書」を開業後2ヵ月以内に提出しなければなりません。

 ほかにも、毎月の収支を複式簿記で記帳する必要があります。仕事で使ったガソリン代や工具代などの領収書を保存しておくことも大切です。

 一方、白色申告は申告するにあたり手間がかかりません。収支は単式簿記での記帳が必要ですが、単式簿記は家計簿に似ているため、会計の専門知識がなくても作成することが可能です。

確定申告で経費となる項目

 一人親方が確定申告をする際に、経費として扱える項目は以下のとおりです。

  • 家賃
  • 仕入れ代
  • 備品代
  • 交通費
  • 車両代
  • 高速代や駐車代
  • ガソリン代
  • 通信費
  • 接待費
  • 消費税
  • 労災特別加入にともなう会費
  • 家族への給与

 なお、接待費については、接待した相手の氏名と内容を領収書に明記する必要があります。国民年金保険料や国民健康保険料は、経費として扱われません。

 経費についてもう少し詳しく知りたいという方は、一人親方の確定申告にあたっての解説をチェックしてください。

労災保険への特別加入手続き

 一人親方の場合、仕事中の事故でケガをした際に、一般の労災保険や健康保険が適用されず、補償が受けられません。そのため、労災保険への特別加入が必須となります。

一人親方が労災保険へ特別加入するための条件として、以下の項目が挙げられます。

  • 従業員を雇用しておらず、法人・個人いずれの場合も一人で仕事をしている
  • 従業員を雇用していても、従業員が働く日数は1年に100日未満であり、請負契約で仕事をしている
  • 一人親方の家族で従業員として働いている
  • 従業員を雇用せず、法人の役員だけで仕事をしている

 労災保険に特別加入するためには、労働局の承認を受けた特別加入団体(組合)を通じて申し込みを行ないます。労災保険に特別加入するための条件を満たしている場合は、組合に対して、入会金、組合費、労災保険料を支払います。

社会保険と共済への加入手続き

 一人親方が加入すべき社会保険と共済の種類と、各制度の特徴を解説します。

加入すべき社会保険

 社会保険とは、年金・健康保険・雇用保険・労災保険などの公的な生活保障の制度です。事業種別や形態によって加入する保険が異なります。

 一人親方が加入すべき社会保険は、健康保険と国民年金です。

 健康保険は、国民健康保険か、建設国保などの国民健康保険組合に加入します。国民健康保険の場合は市区町村役場で、建設国保などの場合は各組合で加入手続きを行ないます。

 国民年金への加入手続きは市区町村役場で行ないます。必要書類は年金手帳、または基礎年金番号通知書です。なお、個人で備える年金には「確定年金」と「終身年金」があるため、自分に適したものをかけ合わせて加入しましょう。

加入すべき共済

 一人親方が加入すべき共済は、小規模企業共済です。

 小規模企業共済は、中小企業経営者のための退職金制度とも呼ばれており、退職後や廃業後の生活費を積み立てておく制度です。掛金は全額所得控除できるほか、事業資金の借入れもできます。

 小規模企業共済への加入手続きは、中小機構と業務委託契約を結んでいる指定団体、または金融機関の窓口で行ないます。一人親方の場合、確定申告書の控えと預金口座振替申出書が必要です。事業を開始したばかりで確定申告書を持っていない場合は、開業届の控えを提示しましょう。

民間保険への加入手続き

 ここでいう民間保険は、「2.労災保険への特別加入手続き」で紹介した公的な労災保険(政府労災保険)とは異なり、民間の保険会社が提供する労災保険です。

 政府労災保険は消滅する心配がなく、安全な保険といえます。ケガや病気によって治療費が発生した場合、政府労災保険では金額の上限がありません。万が一、一人親方が亡くなった場合でも、政府労災保険であれば遺族に年金を残せるうえに、葬儀代も補償されるのが特徴です。

 一方、民間保険の場合は、保険会社が倒産するリスクがあり、同様の掛金であっても補償内容は政府労災保険と大きく異なります。治療費についても、民間保険は上限額が設定されているのが一般的です。

 民間保険への加入は、賠償責任に備えたい場合や、政府労災保険の補償にプラスしたい場合、休業補償をより充実させたい場合に加入するのが有効です。基本的に、民間保険は政府労災保険に加入したうえで検討するとよいでしょう。


一人親方の場合コロナ給付金は受給できるのか?


 一人親方として働いており、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている場合、コロナ給付金(持続化給付金)を受給したいと考えるケースもあるでしょう。コロナ給付金を受給するためには、いくつかの条件を満たさなければなりません。受給条件は以下のとおりです。

  • 開業届を提出しており個人事業主として認められている
  • 売上が前年同月比で50%以上減少している
  • 資本金または出資総額が10億円未満

 一人親方がコロナ給付金を申請する場合は、「本人確認書類」「確定申告書の控え」「収入が減った月の事業収入額を示した帳簿」の3つの書類を提出する必要があります。いずれか1つでも不備があると、受給できるタイミングが遅くなるため注意しましょう。

まとめ

 自分一人、もしくは家族と一緒に働く一人親方は個人事業主となるため、労働者とは異なる手続きを行なわなければなりません。一人親方として仕事をしていくためには、確定申告の手続き・労災保険の特別加入手続き・社会保険と共済への加入手続き・民間保険への加入手続きが必要です。

 また、すでに一人親方として働いておりコロナ給付金を受給する場合は、開業届を提出しているか、売上が前年同月比の50%以上減少しているか、資本金か出資総額が10億円未満かどうかを確認しましょう。これらの条件に該当すれば受給が可能となるので、申請に必要な書類をすべてそろえ、手続きを進めてください。

 一人親方が個人事業主としてやるべき4つのこと。いかがだったでしょうか? 

 各種手続きを初めてする場合や手続きで不安なことがある場合は、自分一人で手続きを進めると、申請方法や必要書類に不備が生じてしまう可能性があります。手続きに関して少しでも不安があるなら、関連組合の窓口や専門家に相談するのがおすすめです。

 本来建設業の一人親方になるのは非常に大変なことです。通常、見習いから始めて親方に弟子入りをして独立するわけですが、当ブログではこのあたりのことを建設業の一人親方で説明しております。ご興味のある方は参考までにご覧になってください。

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