一人親方のグリーンサイト登録方法や必要書類を詳しく紹介
近年、施行体制台帳や労務安全書類を正確かつ効率的に管理するための取り組みとして、「グリーンサイト」を利用する元請会社が増えてきています。
グリーンサイトを利用すれば、労務安全書類をクラウド上で作成・提出・確認できるため、書類作成にかかる手間を省けてミスも防げます。
2015年6月時点で、約70の元請会社がグリーンサイトを利用しており、加入登録している協力会社も約29,000社にのぼっています。[注1]国もグリーンサイトの利用を後押ししていることから、今後は一人親方もグリーンサイトへの登録を勧められる可能性があります。
今回は、一人親方が知っておきたいグリーンサイトへの登録方法や、登録にあたって必要な書類、料金などについて説明します。
[注1]国土交通省:グリーンサイトの概要
https://www.mlit.go.jp/common/001099663.pdf
目次[非表示]
- 1.そもそもグリーンサイトとは?
- 2.一人親方がグリーンサイトに登録するメリット
- 2.1.書類の作成・提出の手間が省ける
- 2.2.記入ミス・添付ミスを防げる
- 2.3.更新漏れを予防できる
- 3.一人親方のグリーンサイト登録にかかる費用
- 4.一人親方がグリーンサイトに登録する方法と用意する書類
- 4.1.インターネットから利用申し込みを行う
- 4.2.申し込み情報の入力
- 4.3.必要書類の送付
- 4.3.1.利用申込書
- 4.3.2.登記簿謄本の原本(法人の場合)
- 4.3.3.住民票(個人事業主の場合)
- 4.3.4.印鑑登録証明書(原本)
- 4.4.利用料金の振込
- 5.まとめ
そもそもグリーンサイトとは?
一人親方を含む工事の下請業者は、現場に入る際、元請業者に対して労務・安全衛生に関する管理書類(グリーンファイル)を提出する決まりになっています。
グリーンファイルは全国建設業境界の様式に沿って作成する場合が多いですが、現場によっては独自の様式を採用していることもあります。グリーンファイルの種類は複数にわたるため、現場に入るたびにたくさんの書類を作成・提出するのは、かなりの手間と時間がかかるのが現状です。
そんなグリーンファイルにまつわる問題を解決してくれるのが、MCデータプラスが運営するオンラインサービス「グリーンサイト」です。
グリーンサイトに登録すれば、クラウド上でグリーンファイルを簡単に作成・提出・確認できるようになります。
下請会社はもちろん、元請会社にとってもメリットの多いサービスであることから、2005年にサービスの提供が開始されて以降、多くの元請・下請会社がグリーンサイトの利用・登録を行っています。
一人親方がグリーンサイトに登録するメリット
一人親方がグリーンサイトに登録するメリットは大きく分けて3つあります。
書類の作成・提出の手間が省ける
グリーンサイトに一度データを登録すれば、保存したデータを利用して簡単にグリーンファイルを作成できます。
元請会社がグリーンサイトを利用していれば、書類の提出もインターネットを通じて行えるので、現場まで足を運ぶ手間や、印刷代・郵送代のコストを削減できます。
記入ミス・添付ミスを防げる
グリーンサイトでは、書類作成の際、提出先の現場情報や自社情報などの登録データは自動的に反映されます。手書きで起こりがちな記入ミスを防げるため、正確な書類を提出することが可能です。
建設業許可証などの証明書類についても、一度データ登録すれば、自動的に添付される仕組みになっているので、添付漏れも予防できます。
更新漏れを予防できる
健康診断受診日や各種資格など、更新期限のある情報を登録しておくと、期限切れの1ヶ月前から警告ランプが表示されます。いつ・何が期限切れになるのか一覧表示されるので、更新漏れの防止につながります。
一人親方のグリーンサイト登録にかかる費用
グリーンサイトを利用するには、初期設定料金10,000円(税別)に加え、基本利用料(ID利用料)が発生します。
基本利用料はプランごとに異なりますが、一人親方の場合は「1名プラン」となり、年間4,800円(税別)の利用料を支払います。初期設定料金が発生するのは初回登録時のみですが、基本利用料金は1年ごとに発生するので、次年度以降も毎年4,800円の料金を支払うことになります。
なお、初期設定料金および基本利用料は、MCデータプラスが指定する銀行口座宛に現金で支払う必要があります。
一人親方がグリーンサイトに登録する方法と用意する書類
一人親方がグリーンサイトに登録する際の手順と、申し込みに必要な書類をご紹介します。
インターネットから利用申し込みを行う
グリーンサイトへの登録は、株式会社MCデータプラスが運営するグリーンサイトの公式サイトより、インターネットを利用して申し込みを行います。
一人親方の場合は協力会社と同じ手順になりますので、「協力会社として申し込み」から手続きを開始します。
申し込み情報の入力
申込手順や利用約款事前説明に目を通し、利用約款に同意したら、企業情報や企業担当者、請求担当者などの申込情報を入力します。
企業情報では法人格(一人親方は個人事業主を選択)、企業名、本社の住所地、代表者名などを入力していきます。一人親方の場合、企業担当者と請求担当者は企業代表者と同一ですので、すべて自身の情報を入力すればOKです。
最後に契約内容としてユーザー上限数を設定します。デフォルトでは10IDになっていますが、一人親方の場合は1IDのみで十分です。利用料金は1IDごとに発生するので、ユーザー上限数を間違わないよう注意しましょう。
グリーンサイト申込情報入力ページでは、建設業退職金共済や中小企業退職金共済、労災上乗せ保険への加入状況や、建設業許可情報、警備業許可情報などを入力します。
必要書類の送付
インターネット申込が完了すると、入力したメールアドレス宛に利用申込完了のメールが自動送信されます。
メールに記載されている案内に従って、グリーンサイト登録に必要な以下の書類を用意し、MCデータプラス宛に送付します。
利用申込書
メールに添付されている利用申込書のpdfファイルを印刷し、必要事項を記載します。
「社印」には、法人の場合は会社の印鑑登録証明書、個人事業主の場合は個人印の印鑑登録証明書にそれぞれ記載のある印影にて押印します。
登記簿謄本の原本(法人の場合)
法人化している一人親方の場合は、会社の登記簿謄本の原本を用意します。登記簿謄本は登記所または法務局証明サービスセンターの窓口で交付請求できるほか、オンラインから申請することも可能です。
取得の際は、一部のみ記載された「抄本」ではなく、履歴事項が全て記載された「謄本」を選択しましょう。
住民票(個人事業主の場合)
個人事業主として登録している一人親方の場合は、役所の窓口などで取得できる住民票を用意します。
印鑑登録証明書(原本)
法人の場合は会社の印鑑登録証明書、個人事業主の場合は個人印の印鑑登録証明書をそれぞれ準備します。
なお、登記簿謄本や住民票、印鑑登録証明書は、いずれも発行から6ヶ月以内のものを使用します。
利用料金の振込
必要書類の送付後、MCデータプラスが発行した請求書が送付されます。請求書の内容を確認したうえで、利用料金の振込を行いましょう。
MCデータプラス側で利用料金の振込が確認されると、申込時に入力した企業担当者のメールアドレス宛に、IDと初期パスワードが送付されます。月末3営業日以降および年末年始を除き、通常は利用料金を振り込んだ翌営業日から利用を開始できます。
まとめ
【書類作成の手間が省けるグリーンサイトは一人親方にとってもメリット大!】
元請会社へ提出しなければならないグリーンファイルは、種類が複数にわたるうえ、現場によって様式が異なる場合があるので、作成から提出までにかなりの時間と手間がかかってしまいます。
いちいち手書きしていると、誤記や添付漏れなどのミスも生じやすくなり、元請会社に迷惑がかかってしまうこともあります。
グリーンサイトに自分のデータを登録しておけば、書類作成・提出の手間が省けるうえ、書類上のミスも少なくなりますので、事務仕事の負担を大幅に軽減できます。
グリーンサイトは多くの元請会社・協力会社が利用・登録しており、今後は一人親方にグリーンサイトへの登録を勧める企業が増えてくることも予想されますので、早い段階から登録を検討してみましょう。
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