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労働保険料の申告方法まとめ!納付書の書き方や計算方法、いつ届くかも解説

 労働保険料の申告・納付手続きに関する情報をお調べではありませんか。この記事では、労働保険の申告・納付の手続きである年度更新や、選択可能な支払い方法などを解説しています。
 さらに、労働保険年度更新申告書と納付書(領収済通知書)の書き方や入手方法、注意点などもまとめています。最後までお読みいただければ、労働保険料の申告・納付にまつわる情報を、総合的に理解できるでしょう。

目次[非表示]

  1. 1.労働保険料の申告・納付の手続きについて
    1. 1.1.年度更新とは
      1. 1.1.1.年度更新の手続き期間
    2. 1.2.e-Govで電子申請が可能!特定の法人は義務化されている
    3. 1.3.労働保険料の申告・納付に関する注意点
  2. 2.保険料の納付方法は4種類
    1. 2.1.現金納付
    2. 2.2.口座振替
    3. 2.3.電子納付(インターネットバンキング/ATM)
    4. 2.4.労働保険事務組合へ委託
  3. 3.納期限は7月10日!条件を満たすと延納(分割納付)が可能
    1. 3.1.労働保険料の延納(分割納付)が可能な条件
      1. 3.1.1.分納における初年度の納期限
      2. 3.1.2.分納における翌年度以降の納期限
      3. 3.1.3.分納における納期限の延長について
  4. 4.労働保険料はいくら?負担割合と計算方法を解説
    1. 4.1.労働保険料の計算方法
    2. 4.2.賃金総額とは
    3. 4.3.労災保険率
    4. 4.4.雇用保険料率
  5. 5.申告書・納付書の書き方と注意点、入手方法など
    1. 5.1.労働保険年度更新申告書と納付書の書き方
      1. 5.1.1.納付書(領収済通知書)は円マークの書き方に注意
      2. 5.1.2.概算保険料0円での申告はできない
    2. 5.2.申告書・納付書はいつどこでもらえる?書き損じたら?
      1. 5.2.1.申告書と納付書が遅い、来ない、届かない場合は?
    3. 5.3.労働保険料の納付証明書や領収証明が必要な場合
  6. 6.まとめ

労働保険料の申告・納付の手続きについて

 こちらでは、労働保険料の申告・納付をする際の、手続き方法や流れを解説します。

年度更新とは

 労働保険料の申告と納付をする際の重要ポイントは、「年度更新」です。労働保険料はまず、年度の当初に概算保険料を計算して申告・納付します。そして翌年度の当初に、確定した労働保険料を申告・納付して、精算する手順です。
 さらに確定した労働保険料を申告・納付するのと同じタイミングで、当年度の概算保険料も申告・納付します。労働保険料を申告・納付する、この一連の手続き方法を年度更新と呼びます。

年度更新の手続き期間

 年度更新の手続きは、毎年6月1日〜7月10日の期間でおこないます。6月1日および7月10日が土日祝に該当する場合は、年度更新の始まりと終わりが、休日明けまで延長されます。
 例えば6月1日が土曜日の場合、年度更新の開始日が6月3日となります。7月10が日曜日の場合は、年度更新の終了日が7月11日になる形です。

e-Govで電子申請が可能!特定の法人は義務化されている

 労働保険料の申請は、e-Govから電子申請が可能です。電子申請なら24時間いつでも申請できるため、窓口の開設時間を気にせず手続きできます。さらに、電子申請をすれば労働保険料の電子納付が可能になる点もメリットです。
 なお2020年4月から、特定の法人は労働保険料の申告などの一部手続きを電子申請でおこなうよう、義務化されています。下記に該当する法人の場合は、労働保険料の電子申請が義務付けられているため、注意が必要です。

  • 資本金、出資金又は銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
  • 相互会社
  • 投資法人
  • 特定目的会社

 労働保険料の電子申請をするためには、いくつかの事前準備が必要となるため、厚生労働省の公式サイトなどでご確認ください。

労働保険料の申告・納付に関する注意点

 労働保険料の申告・納付に関する注意点は、成立手続きや年度更新が遅れると、追徴金などのペナルティを課せられる場合がある点です。
 労働保険の適用事業になった場合は、期日までに成立手続きをする必要があります。成立手続きを怠ると、行政から指導を受けることになり、それでも手続きをしない場合は、下記の対処がおこなわれます。

  • 行政庁の職権により労働保険料の認定決定
  • 最大2年までさかのぼって労働保険料を徴収
  • 労働保険料の10%の追徴金を徴収
  • 未加入期間に労働災害が生じた場合、労災保険給付額の40%または100%を徴収

 また労働保険料の年度更新が遅れた場合も、政府が金額を決定し、10%の追徴金が課される可能性があります。厳しいペナルティを避けるためにも、労働保険料の申告・納付は期日までにおこないましょう。

保険料の納付方法は4種類

 労働保険料の納付方法には、下記4種類の選択肢が用意されています。

  • 現金納付
  • 口座振替
  • 電子納付(インターネットバンキング/ATM)
  • 労働保険事務組合へ委託

 それぞれの納付方法について、概要を解説します。

現金納付

 現金納付は、申告書の提出と同時に、現金で労働保険料の支払いをおこなう方法です。現金納付ができる場所には、次のような例があります。

  • 労働基準監督署
  • 労働局
  • 銀行
  • 郵便局

 なお、一括有期事業の労働保険料を申告する際は、「一括有期事業報告書」と「一括有期事業総括表」の提出も必要です。銀行や郵便局ではこれらの書類を受領してもらえないため、労働基準監督署または労働局へ提出しなければなりません。

口座振替

 口座振替は、金融機関の口座から労働保険料が自動的に引き落とされる納付方法です。現金納付のような手間や待ち時間がないほか、納付忘れのリスクも防げるメリットがあります。
 また口座振替の場合、労働保険料の現金納付よりも最大2ヶ月のゆとりが生まれる点もメリットです。労働保険料の一括納付の場合、口座振替の引き落とし日は9月6日(金融機関が休業日の場合は翌営業日)となります。現金納付の場合は7月10日が納期限のため、58日ものゆとりがあります。
 なお労働保険料の納付方法に口座振替を指定した場合、申告書は労働基準監督署または労働局へ提出するか、電子申請をする必要があります。

電子納付(インターネットバンキング/ATM)

 労働保険料を電子申請した場合に限り、電子納付を選択可能です。労働保険料の電子納付では、ペイジー対応のインターネットバンキングまたはATMから納付できるため、会社にいながら支払いを終えられます。
 なお労働保険料の分割納付が認められるケースに限り、2回目以降の納付は、電子申告でなくとも電子納付を選択可能です。労働保険料を分割納付する場合は、必要に応じて電子納付も検討するとよいでしょう。

労働保険事務組合へ委託

 一部の中小企業は、労働保険料の申告や納付に関する事務手続きを、労働保険事務組合へ委託できます。労働保険事務組合へ委託可能な中小企業は、常時使用する労働者の数が、下記以下の会社となります。

  • 金融・保険・不動産・小売業:50人
  • 卸売事業・サービス業:100人
  • その他事業:300人

 労働保険事務組合へ事務手続きを委託すると、労働保険料の金額にかかわらず、分割納付を選べるようになります。会社の希望や状況に応じて、検討してみてはいかがでしょうか。

納期限は7月10日!条件を満たすと延納(分割納付)が可能

 労働保険料の通常の納期限は、年度更新の期日と同じ7月10日です。7月10日までに、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を、全額一括納付します。

労働保険料の延納(分割納付)が可能な条件

 労働保険料は、下記いずれかの条件を満たせば、延納(分割納付)が可能となります。

  • 概算保険料が40万円以上である
  • 労災保険か雇用保険の一方のみ成立している場合、概算保険料が20万円以上である
  • 労働保険事務組合へ委託している
  • 6ヶ月を超える有期事業の場合、概算保険料が75万円以上である

 労働保険料を延納(分割納付)する場合、納期限は初年度と翌年度以降で異なります。

分納における初年度の納期限

 労働保険料を延納(分割納付)する場合、初年度の納期限と分割回数は成立した日によって異なり、次のとおりです。


成立日
第1期の納期限
第2期の納期限
第3期の納期限
4月1日~5月31日
成立した日の翌日から50日
10月31日
1月31日
6月1日~9月30日
成立した日の翌日から50日
1月31日

 なお、10月1日以降に成立した事業は、初年度の労働保険料の延納(分割納付)ができず、一括納付する形となります。

分納における翌年度以降の納期限

 成立の翌年度以降の労働保険料は、3回の延納(分割納付)となり、納期限は次のとおりです。

  • 第1期:7月10日
  • 第2期:10月31日
  • 第3期:1月31日

 このように、翌年度以降の労働保険料を延納(分割納付)する場合は、3回に分けて納付する形です。

分納における納期限の延長について

 労働保険事務組合へ委託している場合は、納期限が10月31日の労働保険料は11月14日に、1月31日のものは2月14日に、それぞれ延長されます。

労働保険料はいくら?負担割合と計算方法を解説

 労働保険は、労災保険と雇用保険の総称です。労災保険料は全額を事業主が負担する一方、雇用保険料は事業主と労働者の双方で負担する仕組みとなっています。

労働保険料の計算方法

 労働保険料の計算方法は、次のとおりです。

 労働保険料=賃金総額×(労災保険率+雇用保険料率)

 上記の計算式からわかるように、具体的な労働保険料を求めるためには、賃金総額に加えて労災保険と雇用保険の料率を把握する必要があります。

賃金総額とは

 労働保険料を算定するために用いられる賃金総額とは、事業主から労働者へ、労働の対価として支払われる全ての賃金の合計金額です。また賃金総額は、税金や社会保険料などを控除する前の金額で計算します。
 厚生労働省は、賃金に含める支払いとそうでない支払いを、次のように例示しています。

賃金に含める支払いの例

  • 基本賃金
  • 賞与
  • 通勤手当
  • 定期券・回数券
  • 超過勤務手当・深夜手当
  • 扶養手当・子供手当・家族手当
  • 技能手当・特殊作業手当・教育手当
  • 調整手当
  • 地域手当
  • 住宅手当
  • 奨励手当
  • 物価手当・生活補給金
  • 休業手当
  • 宿直・日直手当
  • 雇用保険料・社会保険料
  • 昇給差額
  • 前払い退職金

賃金に含めない支払いの例

  • 役員報酬
  • 結婚祝金・死亡弔慰金・災害見舞金・年功慰労金・勤続報奨金
  • 退職金
  • 出張旅費
  • 宿泊費
  • 工具手当
  • 寝具手当
  • 休業補償費
  • 傷病手当金
  • 解雇予告手当
  • 財産形成貯蓄等のため事業主が負担する奨励金等
  • 会社が全額負担する生命保険の掛け金
  • 持家奨励金
  • 住宅の貸与を受ける利益(福利厚生施設として認められるもの)

 なお上記はあくまでも例であり、労働の対価として支払われるものは、名称のいかんを問わず賃金に該当します。

労災保険率

 労災保険率は厚生労働省により毎年発表され、業種ごとに異なります。業種ごとに労災保険率が異なる理由は、業務の性質による災害リスクが異なるためです。
 例えば令和3年度の労災保険率では、林業が60/1,000である一方、卸売業や小売業は3/1,000となっています。卸売業や小売業よりも、林業の方が災害リスクが高いため、それが労災保険率にも反映されているのです。
 また労災保険率には、「メリット制」と呼ばれる制度も関わります。労災保険のメリット制とは、事業場ごとの災害のリスクや発生状況に応じて、一定の範囲内で料率や保険料が増減される制度です。
 労災保険のメリット制は全ての事業主に適用されるわけではなく、一定の条件を満たした事業主にのみ適用されます。労働保険料を計算する際には、労災保険のメリット制の適用にも気をつける必要があります。

雇用保険料率

 雇用保険料率は、事業主と労働者の負担割合も含め、厚生労働省から毎年発表がなされます。令和3年度の雇用保険料率を紹介すると、次のとおりです。



労働者負担
事業主負担
合計(雇用保険料率)
一般の事業
3/1,000
6/1,000
9/1,000
農林水産・清酒製造の事業
4/1,000
7/1,000
11/1,000
建設の事業
4/1,000
8/1,000
12/1,000

 このように、労災保険率ほど細かくはありませんが、事業の種類ごとに雇用保険料率は異なります。

申告書・納付書の書き方と注意点、入手方法など

 こちらでは、労働保険年度更新申告書と納付書(領収済通知書)の書き方や、覚えておきたい注意点、必要書類の入手方法などを解説します。

労働保険年度更新申告書と納付書の書き方

 労働保険の年度更新手続きでは、下記3種類の申告書が用意されています。

  • 継続事業用
  • 雇用保険用
  • 一括有期事業用

 上記3種類で最も一般的なものは、継続事業用の申告書です。建設業などで労働保険の二元適用事業に該当する場合、雇用保険用の申告書を使用する場合があります。
 申告書・納付書の書き方や見方は、毎年厚生労働省が発表するリーフレットが参考になります。厚生労働省の公式サイトからダウンロード・閲覧できるので、そちらを参考にしてみてください。

【外部リンク】

労働保険徴収関係リーフレット一覧/厚生労働省 公式サイト

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/gyousei/index.html

納付書(領収済通知書)は円マークの書き方に注意

 労働保険料の納付書(領収済通知書)の納付金額の頭には、円マークを記入します。その際の書き方は、一般的な2本線の円マーク「¥」ではなく、横線1本の円マークのため注意が必要です。
 もし2本線の円マークを記入してしまうと、新しい納付書への書き直しが必要です。

概算保険料0円での申告はできない

 申告書は、概算保険料を0円として申告することができません。労働保険の対象となる労働者がいなくなった場合や、事業を廃止した場合は、概算保険料を記入せずに申告書を提出します。
 なお現在は労働者がいないものの、将来的に雇用する見込みがある場合は、見込みの賃金総額から概算保険料を計算し、記入する形です。

申告書・納付書はいつどこでもらえる?書き損じたら?

 労働保険年度更新申告書と納付書(領収済通知書)は、毎年5月末ごろに登録住所へ送付されます。
 もし書き損じてしまった場合、申告書は訂正が可能です。訂正印は必要ないため、訂正後の金額がわかるように記載しましょう。
 一方、納付書(領収済通知書)の納付金額を書き損じた場合、訂正はできません。納付書(領収済通知書)は労働基準監督署または労働局を訪れれば、新しいものがもらえます。
 なお、申告書と納付書(領収済通知書)を切り離してしまった場合、申告書は所轄の労働基準監督署または労働局へ提出し、納付は任意の金融機関でおこなう形となります。

申告書と納付書が遅い、来ない、届かない場合は?

 申告書と納付書(領収済通知書)は、それぞれの労働基準監督署や労働局から発送されます。発送業務は外部の民間事業者に外部委託される場合もあり、状況によっては到着が遅くなるケースもあります。
 年度更新の開始時期である6月1日を過ぎても申告書と納付書が届かない場合、所轄の労働基準監督署または労働局へ問い合わせてみるとよいでしょう。
 また、申告書や納付書を紛失して再発行が必要な場合も、所轄の労働基準監督署または労働局へ問い合わせる必要があります。

労働保険料の納付証明書や領収証明が必要な場合

 労働保険料の納付証明書や領収証明、納入証明などが必要な場合は、所轄の労働基準監督署または労働局にて申請可能です。証明願など専用のフォーマットがあるため、所轄の労働基準監督署または労働局へ問い合わせましょう。

まとめ

 労働保険料の不明点は所轄の労働基準監督署・労働局へ相談しよう

 この記事では、労働保険料の申告・納付方法や計算式、申告書・納付書の書き方などを解説しました。労働保険料の申告や納付に関する要点をまとめると、次のとおりです。

  • 労働保険料の申告と納付は年度更新の手続きでおこなう
  • 労働保険料は電子申請に対応
  • 労働保険料の納付方法は口座振替や電子納付も可能
  • 労働保険料は賃金総額に労災保険率と雇用保険料率を乗じて計算する
  • 申告書と納付書は毎年5月末ごろに登録住所へ送られてくる

 労働保険は法改正により制度の一部が変わる場合もあるため、不明点がある場合は所轄の労働基準監督署または労働局へ問い合わせてみるのがおすすめです。

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