一人親方ブログ

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交通事故で労災保険は使える?補償内容や申請方法を解説

 交通事故で使える労災保険は主に7種類あります。労災保険で支給される補償内容は怪我や病気の治療費だけではなく、休業補償や疾病補償などもあります。また、被害者が死亡した場合に残された家族などに支給される制度もあるため確認しておくといいでしょう。

目次[非表示]

  1. 1.通勤中や勤務中の交通事故なら労災保険が使える
    1. 1.1.労災保険が利用できる条件は自動車の運転による労災事故に限らない
  2. 2.勤務中や通勤中の交通事故で使える労災保険の内容
    1. 2.1.休業補償給付(休業給付)
    2. 2.2.傷病補償年金(傷病年金)
    3. 2.3.障害補償給付(障害給付)
    4. 2.4.介護保障給付(介護給付)
    5. 2.5.遺族補償給付(遺族給付)
    6. 2.6.葬祭料(葬祭給付)
  3. 3.通勤中や勤務中の交通事故で労災保険を申請する方法
    1. 3.1.労災保険の申請で必要な書類
  4. 4.まとめ

 まず、交通事故で労災保険を使うことができるのか?についてお答えいたします。

 ずばり、交通事故で労災保険を利用することはできます。雇用契約の労働者であっても一人親方であってもこれは変わりません。

 ただし、労災保険を利用するためには勤務中や通勤中に起きた事故などが原因になる場合に限られています。

 交通事故を起こしてしまったり、被害になってしまったりした場合はなにをすればいいのか分からなくなってしまうかもしれません。

 事故が起きた際、スムーズに労災保険が支給されるようにどのような手続きが必要になるのか事前に覚えておくのがおすすめです。

通勤中や勤務中の交通事故なら労災保険が使える

 労災保険とは、労働者の負傷・障害・疾病などに対して保険給付がされる制度です。

 労働者の勤務中はもちろんのこと通勤中に交通事故を起こしてしまったり、事故に巻き込まれてしまったりした場合でも労災保険が利用できます。

 また、労災保険は会社に属する会社員だけの制度と思われがちですが、公務員についても国家(地方)公務員災害補償法により、労災保険と同様の保証が受けられます。

労災保険が利用できる条件は自動車の運転による労災事故に限らない

 労災保険が支給される条件は労働者の勤務中や通勤中に、労働者が負傷した場合となっています。

 労働者のなかには車通勤ではなく、電車やバスといった公共機関を利用する人や、自転車や徒歩で通勤する人もいるかもしれません。

 そのため、駅のホームで転倒したり、自転車に乗っていたり歩いたりしているときに交通事故被害に遭った際は労災保険が利用できます。

 ただし、保険が使えるのは合理的な通勤経路を利用している場合のみになります。

 例えば、帰宅中に買い物をするために合理的な通勤経路から外れて寄り道をした際に、駅ホームで転倒してしまったという場合は、労災保険が利用できない可能性が高いので注意しましょう。

勤務中や通勤中の交通事故で使える労災保険の内容

 労災保険の補償内容は大きく分けて以下の7つがあります。

  • 療養補償給付(療養給付)
  • 休業補償給付(休業給付)
  • 傷病補償年金(傷病年金)
  • 障害補償給付(障害給付)
  • 介護保障給付(介護給付)
  • 遺族補償給付(遺族給付)
  • 葬祭料(葬祭給付)

※()内は通勤災害の場合の名称です

 それぞれの給付金がどのような役割や目的があり給付されるのか解説します。

療養補償給付(療養給付)

 療養補償給付とは、病気や怪我の治療のために必要な費用です。

 具体的な使用例として、以下の費用が支給されます。

  • 診察費
  • 処置などの治療費
  • 入院が必要な場合の入院費や看護費
  • 救急車やタクシーの移送費 など

 治療を受ける際に必要な費用だけではなく、病院やクリニックに行くために必要な費用も給付されます。

 また、通院ではなく自宅療養で訪問看護を利用する場合も「療養補償給付」に含まれます。

休業補償給付(休業給付)

 休業補償給付は、災害により出社できなくなった場合に本来得られるはずだった収入(利益)が給付される制度です。

 休業補償給付で支給される額は、被害者の平均賃金によって決まります。

 収入によって支給額の制限はなく、平均賃金の6割が支給されることになっています。併せて休業特別支給金から2割の給付され、合計8割が支給されます。

 休業補償給付は、事故を起こした加害者に請求するため労災保険とは異なる「休業損害」と混同しやすいので注意しましょう。

傷病補償年金(傷病年金)

 休業期間が1年6か月以上になると、休業補償給付から傷病補償年金に切り替わります。

 ただし、怪我や病気が傷病等級に該当しない場合は、治療期間が1年6カ月を過ぎても休業補償給付を受け続けることになります。

  • 傷病等級1級:常時介護が必要(平均賃金の313日分)
  • 傷病等級2級:随時介護が必要(平均賃金の277日分)
  • 傷病等級3級:労働不能(平均賃金の245日分)

 休業補償給付では平均賃金の60%が支給されていましたが、傷病補償年金になると60%ではなくなるため支給額が多くなるケースが多いです。

障害補償給付(障害給付)

 障害補償給費は、怪我や病気などの治療が終わったあとに障害が残ってしまった場合に支給されます。

 支給の種類や金額は障害の等級によって異なります。

  • 年金形式:等級1級~7級
  • 一時金形式:等級8級~14級

 障害補償給付を給付されるためには、きちんと診療や治療をして後遺障害等級認定を受ける必要があります。

介護保障給付(介護給付)

 介護保険給付は傷病補償年金と障害補償給付を受ける権利がある場合に支給されます。

 介護がどの程度必要かによって支給額が変わります。

 常時介護が必要な場合は月額70,790円~165,150円、随時介護が必要な場合は35,400円~82,580円です。

 支給額は本人の障害程度だけではなく、親族や友人、知人に介護が必要なのかによって変わります。

遺族補償給付(遺族給付)

 遺族補償給付とは、労災事故により死亡した被害者の関係者に対して給付されます。

  • 配偶者
  • 子ども
  • 父と母
  • 祖父母
  • 兄弟や姉妹

 上記に当てはまる関係者に遺族補償給付がされますが、被害者の収入により生計を維持していたかがポイントになります。

 判断基準になるのが、「被害者と同居していたか」です。

 そのため子どもが近所に住んでいて頻繁に被害者と合っているという場合でも、支給の対象にならない可能性があります。

 また、世帯収入の制限がないため共働き家庭でも対象になりますし、婚姻届を提出していない内縁関係でも対象になるケースがあるためよく確認するといいでしょう。

葬祭料(葬祭給付)

 葬祭料とは、被害者が死亡し葬祭をする際に喪主などの葬祭をおこなう人に支給されます。

 葬祭料は以下のうち、高い方が支給されます。

  • 31万5000円+被害者の事故前における平均賃金の30日分
  • 被害者の事故前における平均賃金の60日分

 平均賃金により支給額が変わるので覚えておくといいでしょう。

通勤中や勤務中の交通事故で労災保険を申請する方法

 労災を申請する際は被害者が労働監督署に請求するのではなく、まずは会社などの雇用主に報告しなければいけません。

 会社に隠れて労災保険が支給されることはできないので注意しましょう。

 労災保険を申請する手順は以下の4つのステップを踏みます。

  • STEP1 労働者が雇用主に労働災害が発生した旨を報告する
  • STEP2 雇用主が労働基準監督署長宛に必要書類の提出を行う
  • STEP3 労働基準監督署が調査を行う
  • STEP4 保険金が給付される

 労災保険を申請する際は、必要書類を提出する必要があります。

労災保険の申請で必要な書類

 交通事故が他人の行為によって生じた場合、労災保険の支給を受けるためには、被害者は以下の書類を用意しなければならないケースがあります。下記以外にも必要に応じて提出しなければならない書類がありますので、実際に交通事故が起きた場合は最寄りの労働基準監督署に相談することをお勧めします。

  • 交通事故証明書
  • 念書
  • 損害賠償金等支払証明書、保険金支払通知書

 交通事故証明は事故について警察に届出を行った後に各都道府県の交通安全運転センターで交付申請を致します。

 また、自賠責保険等から賠償金等を受けている場合には損害賠償金等支払証明書、保険金支払通知書が必要となりますが、単独事故などで自賠責保険からの支給を受けられない場合は不要です。なお、労災保険と自賠責保険の違いについて労災保険と自賠責保険の違いやメリット・デメリットを解説で詳しく解説しておりますのでご参考になさってください。

 もし被害者が死亡した場合は以下の書類も必要になります。

  • 死体検案書
  • 死亡診断書
  • 戸籍謄本

 必要な書類のなかには、病院や保険会社などから渡されるものもありますが、市役所などで発行手続きが必要な書類もあります。

 自身や家族が交通事故などの被害になってしまったときは、なにをすればいいのか分からなくなってしまうかもしれません。

 労災保険を支給してもらうための手順や必要な書類などの事前に覚えておくとスムーズに手続きできるでしょう。

まとめ

 事故で必要になる書類は事前に把握しておきましょう。

 交通事故で労災保険を利用できますが、勤務中や通勤中の事故のみという制限があります。

 労災保険で支給される内容は、被害者の状態によって変わるためそれぞれの補償内容をよく確認するのがおすすめです。

 また、労災保険を申請する場合に必要な書類は多くあります。事故が起きてから慌ててしないためにも、事故が起こる前にどのような書類が必要になるのか事前に覚えておくとスムーズに手続きができるでしょう。

 最後に一人親方の場合、労災保険を使用するためには請負契約に基づいて仕事をしている・通勤しているということがが労災保険をスムーズに使えるかどうかで重要なポイントとなります。