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賠償責任保険に加入する目的や補償内容を具体的に解説


賠償責任保険とは?

 工事現場や建設現場などの仕事では、誤って他人にケガをさせてしまったり、物品を破損してしまったりする可能性があります。このような損害を出してしまうと、相手に損害賠償を支払わなければならないこともあるでしょう。

 損害の程度によっては、莫大な金額がかかってしまうこともあります。そんな損害賠償の支払いをカバーしてくれる保険が、「賠償責任保険」です。

 今回は、賠償責任保険に加入する目的や具体的な補償内容について、わかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.賠償責任保険の役割とは
    1. 1.1.賠償請求された際に補償が受けられる
    2. 1.2.補償の幅を広げる充実した特約
  2. 2.特約の種類
    1. 2.1.管理財物損壊補償特約
    2. 2.2.借用財物損壊補償特約 
    3. 2.3.支給財物損壊補償特約
    4. 2.4.工事遅延損害特約
    5. 2.5.地盤崩壊危険補償特約
  3. 3.一人親方が加入すべき賠償責任保険とは
    1. 3.1.請負業者賠償責任保険
    2. 3.2.施設賠償責任保険
  4. 4.一人親方が加入する必要性
    1. 4.1.元請業者も下請業者も賠償金額は同額
    2. 4.2.下請業者でも賠償請求される可能性がある
  5. 5.まとめ

賠償責任保険の役割とは

 まず、賠償責任保険とはどのような役割をもつ保険制度なのか、詳しく見ていきましょう。

賠償請求された際に補償が受けられる

 賠償責任保険は保険の加入者が賠償請求をされた際に、補償が受けられる保険です。業務に関わる事故や過失などによって、他人へのケガや物の損壊を招いた場合、事業者は損害賠償責任を負います。

 損害賠償責任を負った事業者は、損害の程度に応じて金銭で賠償しなければなりません。この金銭で賠償する際に、事業者が賠償責任保険に加入していれば、賠償金額の一部または全額が補償されます。

 労働環境や業種などによって、リスクの大きさはさまざまです。そのため、どのようなリスクにも対応できるように、賠償責任保険はそれぞれの事業に合った内容を選んで加入できるシステムとなっています。

補償の幅を広げる充実した特約

 賠償責任保険で補償される範囲は、賠償金だけではありません。被害者への治療費や、訴訟が起きた場合には訴訟・調停に関わる費用、弁護士を立てた場合には弁護士費用なども補償されます。ただし、損害賠償保険はすべての賠償責任に対応しているわけではありません。

 賠償責任が発生した理由によっては、賠償責任保険でカバーされないケースがあります。

 例えば、故意に損害を発生させた場合や、地震や津波などの自然災害によって生じた場合などは、賠償責任保険の補償外です。

 しかし、賠償責任保険には、補償の幅を広げる特約が用意されており、損害賠償責任が発生しなかった場合でも、保険金が支払われるものがあります。

 充実した補償内容にしたければ、基本の賠償責任保険に加えて、特約に加入しておくとよいでしょう。

特約の種類

物品の破損

 賠償責任保険は賠償責任を負ってしまったときに、賠償金や賠償に関わる諸費用を補償してくれる保険だとお伝えしました。ここでは、賠償責任の補償範囲を広げるさまざまな特約について解説します。

管理財物損壊補償特約

 管理財物損壊補償特約は、保険加入者が管理をしている財物が破損し、損害が発生した場合に補償される特約です。

 例えば、工事中に誤って壁に穴を開けてしまった、工具を落として家具を破損させてしまったなどのケースでは、管理財物損壊補償特約に加入していれば補償されます。

 また、損壊には破損や汚損以外に、紛失や盗取なども含まれるため、財物を盗まれた場合も補償対象です。ただし、保険加入者が他人から一時的にレンタルやリースで、借りている財物の場合は、補償対象外となるケースもあるため注意しましょう。

借用財物損壊補償特約 

 借用財物損壊補償特約は、使用した借り物や管理する財物が損壊し、損害が発生した場合に補償される特約です。

 先ほどの管理財物損壊補償特約では補償範囲外の、レンタルやリースによる借り物などが対象となります。

 ただし、借用財物損壊補償特約では、損壊の範囲が滅失や破損、汚染のみであり、紛失や盗取された場合には補償が適用されません。

 また、借用財物損壊補償特約では、仕事を遂行するための作業場や施設内で発生した場合のみ、補償対象です。そのため、レンタルした重機を移動させるために、公道を走行している最中の事故などには対応していません。

支給財物損壊補償特約

 支給財物損壊補償特約は、仕事のために支給された資材や商品などの財物が損壊し、損害が発生した場合に補償される特約です。

 例えば、エアコンの取り付け業者が、取り付け工事の際に誤ってエアコンを破損させてしまった場合などが該当します。

 借用財物損壊補償特約のように、損壊の範囲は滅失や破損、汚染のみであるため、紛失や盗取された場合には補償が適用されません。

工事遅延損害特約

 工事遅延損害特約は、保険金の支払い対象となる事故が発生したことで、履行期日の翌日から6日以上遅れることにより、損害が発生した場合に補償される特約です。

 工事が遅延すると、工事の発注者に余計な費用がかかることが考えられます。そのため、工事が事前に決められた期日を超過すると、賠償責任が発生するのです。

 工事遅延損害特約では、このように工事が遅延してしまったときに補償してくれます。

地盤崩壊危険補償特約

 地盤崩壊危険補償特約は、地下で行なわれる工事や建物と地面のつなぎ目となる土台を作る基礎工事、土を掘る掘削工事にともなう損害を補償する特約です。具体的な補償対象としては、次の2つが挙げられます。

 1つ目は、不測かつ突発的な事態に発生した土地の沈下や隆起、移動、振動、軟弱化、土砂崩れまたは土砂の流出・流入が原因となる場合です。これらの原因により、土地や土地の工作物、植物の損壊、動物の死傷などの損壊が生じ、損害賠償責任を負ったときに補償されます。

 2つ目は、地下水の増減によって地盤の崩壊が原因となる場合です。地盤の崩壊により、財物が損壊して損害賠償責任を負った場合に補償されます。ただし、地盤崩壊による河川または堤防の損壊が原因で、損害賠償責任が発生した場合は、補償対象にはなりません。

 このように、地盤崩壊危険補償特約は支払い条件が細かく設定されているため、契約する前にどこまで補償されるのか詳しく確認しておきましょう。

一人親方が加入すべき賠償責任保険とは

保険の加入に悩む一人親方

 賠償責任保険に加入していない一人親方の場合、元請業者の保険の対象外のため補償を受けられない、元請業者が免責となるなどといった可能性があります。

 万が一に備えて、一人親方が加入すべき賠償責任保険について見ていきましょう。

請負業者賠償責任保険

 請負業者賠償責任保険は、請負業務が原因で損害賠償責任を負った際に、補償される保険です。この保険では損害賠償として支払う損害賠償金はもちろんのこと、裁判費用や弁護士費用も補償範囲に含まれます。

 請負業者賠償責任保険は、幅広い請負業務を保険対象としていますが、すべての請負作業が対象となるわけではありません。一部、対象外となる作業があるため、契約の際には自身の請負業務が対象範囲かしっかりと確認しておきましょう。

 請負業者賠償責任保険の契約方法には、「年間包括契約」と「個別スポット契約」の2種類の契約方法があります。

 年間包括契約は、基本的に保険期間中(1年間)のすべての請負工事・作業を対象とする契約で、保険対象の限定も可能な契約です。加入手続きもシンプルで、保険のかけ漏れがありません。

 個別スポット契約は、一つひとつの請負工事や仕事ごとに保険を手配する契約方法です。請け負う工事や作業の期間に合わせて、保険期間を設定できます。このとき設定する保険期間は、遅延することに備えて、本来の工期よりも長めに設定することも可能です。

施設賠償責任保険

 施設賠償責任保険は、保険加入者が保有または管理している業務用の施設が原因で、損害賠償責任を負った際に補償されます。

 例えば、管理する施設の壁が崩れて他人にケガを負わせた場合などに、補償される保険です。施設賠償責任保険における「施設」には、工場や倉庫、事務所、資材置き場などが含まれます。

 施設を保有・管理している一人親方は、加入しておくべき保険といえるでしょう。

一人親方が加入する必要性

 ここまで、一人親方が加入すべき賠償責任保険についてお伝えしました。では、なぜ一人親方が賠償責任保険に加入すべきなのでしょうか。

元請業者も下請業者も賠償金額は同額

 賠償請求される治療費や慰謝料の金額は、事業者によって変わるわけではありません。元請業者であろうと、下請業者であろうと、被害者が請求すれば同額の賠償金を支払う必要があります。

 損害賠償請求の金額は損害の程度にもよりますが、高額になることも珍しくありません。そのため、賠償責任保険に加入していない場合、現実的に支払いが厳しいことも考えられます。

 事業規模の大きい元請業者であれば、自社の売上で対応できるかもしれませんが、年間の売上が大企業におよばない一人親方では、自社で対応することは困難です。そのため、一人親方は万が一に備えて、賠償責任保険に加入しておくことをおすすめします。

下請業者でも賠償請求される可能性がある

 通常、元請業者が加入している賠償責任保険は、下請業者も保険対象としています。そのため、下請業者が個別に賠償責任保険に加入する必要はないと思うかもしれません。

 しかし、第三者にケガをさせてしまったとき、被害者は元請業者と下請業者の両方に賠償請求ができます。そのため、元請業者の賠償責任保険だけではなく、下請業者も賠償責任保険への加入が必要なのです。

 また、損害賠償金を元請業者が支払ったとしても、損害賠償の原因を招いた下請業者に対し、元請業者から賠償請求がくることもあります。このような事態になっても賠償金を支払えるように、賠償責任保険には加入しておくべきでしょう。

まとめ

 賠償責任保険は、予期せぬ事故や作業中のミスによって賠償責任が生じたときに、補償してくれる保険です。現場では、どれだけ注意をしていても、事故やミスが発生してしまう可能性はあります。

 そんな万が一のときに備えて、賠償責任保険には加入しておいたほうが、安心して仕事を行なえるでしょう。賠償責任保険にはさまざまな特約もあるため、今回の記事を参考にして最適な保険と特約を選んで加入しましょう。


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