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一人親方でも建設業許可の取得は可能?メリット・デメリットや条件、必要書類を紹介 !

 

 一定の施工力や信頼性を持っていることを示すことができる、建設業許可。実は、建設業許可は一人親方でも取得することが可能なことをご存じでしょうか。一人親方が建設業許可を取ることで仕事の幅が大きく広がり、元請けからの信頼を得ることも可能となります。

 こちらの記事では、一人親方が建設業許可を取得するメリットや条件について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.一人親方でも建設業許可は取得できる
  2. 2.建設業許可の個人取得と法人取得の違い
    1. 2.1.個人で建設業許可を取得する場合
    2. 2.2.法人で建設業許可を取得する場合
  3. 3.一人親方が建設業許可を取得する3つのメリット
    1. 3.1.1.500万円以上の工事や公共工事が受注できる
    2. 3.2.信用度が向上する
    3. 3.3.法人と比べると手続きが難しくない
  4. 4.一人親方が建設業許可を取得するデメリット
    1. 4.1.取得に費用が発生する
    2. 4.2.更新や変更手続きが必要になる
    3. 4.3.決算報告が必要になる
  5. 5.一人親方が建設業許可を取得するための5つの条件
    1. 5.1.経営業務の管理責任者等の設置
    2. 5.2.専任技術者の設置
    3. 5.3.誠実性
    4. 5.4.財産的基礎等
    5. 5.5.欠格要件に該当しない
  6. 6.経営業務の管理責任者・専任技術者になるための必要書類
  7. 7.まとめ


一人親方でも建設業許可は取得できる

 たとえ一人親方であっても、一定の要件を満たすことで建設業許可を取得することは十分に可能です。建設業許可は、条件を満たせれば法人・個人を問わずに取得できるものであるため、一人親方であることがネックとなることはありません。1件あたりの請負金額が500万円を超える建設工事を請け負うためには、一人親方であっても建設業許可が必要になります。500万円という金額には材料費なども含むため、一人親方でも請負金額が500万円を超えてしまうケースは決して珍しくはありません。

 許可の有無が仕事の受注に直結してしまうこともあるため、ある程度一人親方として経験を積んだら建設業許可の取得を検討していきましょう。

建設業許可の個人取得と法人取得の違い

 建設業許可を取得するには、個人として取得する方法と、法人として取得する方法があります。許可を引き継げるかどうか、異なるのがポイントです。

個人で建設業許可を取得する場合

 一人親方として事業を営んでいる場合、個人として建設業許可を取得することになります。個人で建設業許可を取得する場合、会社や事業所ではなく、その個人に対して許可が与えられるのが特徴です。

 許可が与えられるのはその個人に対してのみなので、許可が与えられた方が亡くなった場合は、許可自体が消滅してしまいます。

 例えば、一人親方と一緒に仕事をしていた子どもなどの第三者がいたとしても、一人親方に与えられた許可を引き継ぐことはできません。

 子どもを含む第三者が建設業許可を得たい場合は、その個人が新たに建設業許可を取得する必要があります。

 また、一人親方が個人で建設業許可を取得したあとに法人化したい場合、一人親方として得た許可を法人に引き継ぐことはできません。法人化する際は、法人として新たに建設業許可を取得する必要があります。

法人で建設業許可を取得する場合

 株式会社や合同会社など、個人ではなく法人の形態で建設業を営んでいる場合は、法人として建設業許可を取得することになります。

 法人が建設業許可を取得した場合、その法人を経営している代表者(社長など)個人ではなく、法人自体に許可が与えられるのが特徴です。

 法人の代表者が亡くなったとしても、法人としての要件を満たしており法人が存続している限り、与えられた建設業許可は消滅しません。

  

一人親方が建設業許可を取得する3つのメリット

 そもそも、一人親方が建設業許可を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、メリットについて3つ紹介していきます。

1.500万円以上の工事や公共工事が受注できる

 建設業許可を取得する最大のメリットは、500万円以上の工事や公共工事を受注できるようになることです。ただし、許可が必要となるのはある程度の規模がある工事だけなので、軽微な工事を請け負っている場合は、許可を受ける必要はありません。

 軽微な工事とは、以下のような工事のことを指します。[注1]

  • 請負金額が500万円以下
  • 建築一式工事1件の請負代金の額が1,500万円未満
  • 建築一式工事の延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事

 一人親方の中には、上記のような軽微な工事だけを請け負っている人もいます。しかし、ある程度実績を積んだ一人親方の場合、請負金額が500万円以上に上るケースも少しずつ出てくるでしょう。また500万円以下の工事でも、元請け会社から許可の取得を求められることがあります。

 あらかじめ建設業許可を取得しておけば、工事の依頼が来たときや会社に求められたときも、慌てずに対処することができます。

[注1]国土交通省|建設業の許可とは

信用度が向上する

 建設業許可を取得している一人親方はそう多くはないので、取得しておくことで他業者と差別化を図り、信用度を向上させることが可能となります。元請け会社はもちろんのこと、一般顧客からの信用度も増し、受注率のアップにも繋がるでしょう。

 許可を取得することで、売上の増加や新規顧客の獲得につながることも珍しくはありません。さらに一人親方としてステップアップをしたいのであれば、建設業許可は取得しておいて損はないでしょう。

法人と比べると手続きが難しくない

 個人事業主として建設業許可を取る場合は、法人と比べると申請に必要な書類が少なくて手続内容が簡単であることもメリットとして挙げられます。法人として建設業許可を取得するときは、役員の一覧表や株主(出資者)調書、定款(写)などといった法人特有の書類を用意する必要があります。一人親方であれば法人が提出すべき書類が必要ないため、比較的短時間で許可を取得しやすいでしょう。

 しかし、一人親方として建設許可業を取得したあとに法人成りをする場合は、新たに許可を取得する必要がある点に要注意です。

一人親方が建設業許可を取得するデメリット

 一人親方が建設業許可を取得する場合、メリットだけでなくデメリットもある点に注意しましょう。ここでは、一人親方が建設業許可を取得する場合のデメリットを、項目ごとに解説します。

取得に費用が発生する

 一人親方が建設業許可を取得するには、費用が発生します。まず、法定費用として以下の費用が必要です。

  • 都道府県知事許可(1つの都道府県にのみ事業所を置く場合):9万円
  • 国土交通大臣許可(2つ以上の都道府県に事業所を置く場合):15万円

 また、証紙代などで数千円の費用がかかります。

 加えて、行政書士に建設業許可の手続きを依頼する場合は、法定費用だけでなく行政書士に依頼する費用も発生します。

 依頼する費用の金額は行政書士によって異なりますが、一般的な目安としては10~15万円程度です。 

更新や変更手続きが必要になる

 建設業許可は5年に一度、更新手続きをする必要があります。更新料は5万円で、更新手続きを行政書士に依頼する場合は、別途5万円程度かかるでしょう。

 また、会社に変更事項がある場合は、その旨の変更登記と、建設業許可の変更手続きも必要です。

決算報告が必要になる

 建設業許可を取得した場合、事業年度終了から4ヵ月以内に、建設業の決算報告の書類を提出しなければなりません。 

 決算報告の書類には、決算内容や1期分の工事経歴などを規定の基準で記載する必要があります。書類の名称は決算変更届、決算報告書、年次報告書など都道府県によって異なります。

 決算変報告の書類を提出しなかった場合、罰金など罰則の対象になるほか、建設業許可の更新手続きができなくなるなどのデメリットがあります。必ず期限までに提出しましょう。

一人親方が建設業許可を取得するための5つの条件

 

 すべての一人親方が建設業許可を取得できるのかというと、実はそうではありません。許可を取得するためには一定の条件があり、申請時はすべての条件を満たしている必要があります。[注2]

 ここからは、建設業許可を取得するための条件を見ていきましょう。

経営業務の管理責任者等の設置

 建設業の経営はほかの産業と大きく異なっているため、適正な経営のためには一定期間の経営業務経験を有した責任者が必要だと判断されています。したがって、一人親方が建設業許可を取得するためには、本人が以下の条件に該当していることが求められます。

  • 5年以上建設業の経営業務の管理責任者として経験積んでいるもしくは建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する
  • 適正な社会保険へ加入している

専任技術者の設置

 建設工事における適切な請負契約の締結・履行を確保するため、建設業許可を取得する人には工事についての専門知識が求められます。建設業において一定の資格または経験を有した者を「専任技術者」と呼び、一人親方が建設業許可を取得する際は、以下の条件のいずれかを満たして専任技術者として認められる必要があります。

  • 指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する
  • 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する
  • 国家資格者である
  • 複数業種に係る実務経験を有する

※一般建設業の場合

誠実性

 請負契約の締結や履行に関して、不正または不誠実な行為をする恐れのない誠実性があることが求められます。証明する必要などは必要ありませんが、過去の契約締結に法律違反がないか、請負違反に契約した行為がないかを判断されます。

財産的基礎等

 建設工事には資材や機械器具の購入など一定の準備資金が必要となるため、営業をする上での資金についても建設業許可取得の条件として定められています。財産的基礎等を満たすためには、下記のいずれかに該当している必要があります。

  • 自己資本が500万円以上である
  • 500万円以上の資金調達能力を有する
  • 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有する

※一般建設業の場合

欠格要件に該当しない

 上記のほか、破産者で復権を得ない者や建設業許可の取り消しから5年を経過しない者など、欠格要件に該当しないことが建設許可業の取得条件として定められています。

 詳細は国土交通省のWebサイトでもチェックできるため、申請の前に目を通しておきましょう。

[注2]国土交通省|許可の要件

経営業務の管理責任者・専任技術者になるための必要書類

 

 前項で建設業許可を取得する条件として、「経営業務の管理責任者」「専任技術者」として認められる必要があると解説しました。それぞれの条件を満たす者だと認められるためには、書類を提出して経歴を証明する必要があります。

(経営業務の管理責任者)

  • 該当年数分の確定申告の写し
  • 工事請負契約書
  • 注文書
  • 請求書
  • 入金を証明する通帳 など

(専任技術者)

  • 指定学科を卒業した証明
  • 実務経験期間分の工事請負契約書
  • 注文書
  • 請求書
  • 入金を証明する通帳
  • 保有国家資格の合格証明書 など

 経営業務の管理責任者として、要件を満たしていることを証明するために必要な書類は、以下のとおりです。いずれも、おもに責任者としての経験を証明するために必要な書類です。

  • 該当年数分の確定申告の写し
  • 工事請負契約書・注文書・請求書・入金を証明する通帳など

 注意点として、証明のために必要な書類は、許可を得ようとする地域などによって異なります。

 例えば、ある地域では確定申告書が必須の場合でも、他の地域では契約書などで足りる場合があります。

 専任技術者として、要件を満たしていることを証明するために必要な書類は、以下のとおりです。

  • 指定学科を卒業したことを証明する書類(指定学科の卒業を証明するため)
  • 実務経験期間分の工事請負契約書・注文書・請求書・入金を証明できる通帳など(実務経験を証明するため)
  • 国家資格の合格証や免許証(国家資格の保有を証明するため)

 注意点として、上記すべてが要求されるわけではなく、証明が必要な項目によって、提出が必要な書類の種類は異なります。

 例えば、国家資格の保有を理由に専任技術者として申請する場合は、国家資格を証明する書類が必要ですが、指定学科の卒業や実務経験についての書類は要求されません。

まとめ

 一人親方として仕事をするうえで、建設業許可を取得するかどうかを悩む人も多いものです。許可を取得すると受けられる工事の範囲が広がったり、信用度が大きくアップしたりします。たとえ今は受注額が少ない一人親方であっても、将来事業を拡大することを検討しているのであれば、建設業許可を取得しておいて損はないでしょう。許可を取得するためには、細かな条件を満たしたり必要書類を揃えたりする必要があります。

 もし、ご自分で手続きをすることが難しい場合は、行政書士などのプロを頼るのもひとつの手です。