一人親方ブログ

 一人親方についてお役立ち情報を定期的にご提供致します。

catch-img

一人親方が確定申告する方法をイチから分かりやすく解説

 一人親方が正しく収入を申告して納税をするために、確定申告は欠かせません。しかし確定申告には複雑な計算や書類の作成が求められるため、どのように手続きを進めていけばよいのか分かりにくいと感じている人もいるでしょう。この記事では、一人親方が確定申告する方法について詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.一人親方の確定申告方法
    1. 1.1.確定申告の方法を決める
    2. 1.2.所得金額を求める
    3. 1.3.課税所得金額を求める
    4. 1.4.税額を計算する
    5. 1.5.必要書類を税務署に提出
  2. 2.一人親方が確定申告で計上できる経費
    1. 2.1.事業に関係する費用は基本的に経費になる
    2. 2.2.事業に関係しないものは計上しないように注意
  3. 3.一人親方が確定申告する際に注意する2つのこと
    1. 3.1.「外注費」と「給与」の違い
    2. 3.2.正確な利益確定のために棚卸しを行う
  4. 4.まとめ

 個人事業主として一人親方をしている場合、毎年収入の確定と税金の申告のために確定申告をすることが法律で義務付けられています。しかし確定申告と言われても、どのような方法で行っていけばいいか分からず戸惑ってしまう人もいるかもしれません。

 そこでこの記事では、一人親方が確定申告をする方法について詳しく解説していきます。経費や申告時の注意点についてもお伝えするので、漏れのない正しい確定申告をしていきましょう。

一人親方の確定申告方法

 さっそく、一人親方の確定申告方法について詳しく見ていきましょう。確定申告をするときは、5つのステップを踏んでいくことになります。

確定申告の方法を決める

 確定申告には、「白色確定申告」と「青色確定申告」の2種類の方法があります。まずは、どちらで確定申告をするかについて決めていきましょう。

  • 白色確定申告

 単式簿記と呼ばれるシンプルな記帳で行える確定申告。所得の控除は受けられない。

  • 青色確定申告

 「青色申告承認申請書」の提出が必要で、複雑な複式簿記が求められる。難しい代わりに、毎 年の所得から55万円もしくは65万円の控除が受けられる。[注1]

 お得なのは青色確定申告ですが、複雑な経理業務が必要となるため白色確定申告を選ぶ人も少なくはありません。もしもどうしても青色確定申告をしたいのであれば、税理士に依頼することをおすすめします。

[注1]国税庁|青色申告特別控除額・基礎控除額

所得金額を求める

 確定申告の方法が決まったら、実際に申告に必要な計算を行っていきます。まずは、税金を計算する上で重要となる「所得金額」を求めていきましょう。

  • 所得金額=収入-経費

 たとえば、一人親方の売上が年間500万円で、仕事に必要な材料や機材に150万円かかった場合、所得金額は「500万円-150万円=350万円」ということになります。

課税所得金額を求める

 次に、所得金額から「所得控除」を差し引いて課税所得金額を求めていきます。

  • 課税所得金額=所得金額-所得控除

 所得控除は、条件に合わせて所得の合計金額から一定金額を差し引くことができる制度を指します。所得控除ができる費用としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 医療費
  • 社会保険料
  • 生命保険料
  • 地震保険料
  • 寡婦・ひとり親控除
  • 障害者控除
  • 配偶者控除 など

 控除できる金額は、各種費用や人によって異なります。保険料や医療費の控除額については年末に送られてくる書類で確認できるため、もしも送られてきたら大切に取っておくようにしましょう。

税額を計算する

 課税所得金額が求められたら、税額所得税の税額を計算します。所得税の税率は課税所得金額によって決められており、金額が大きくなるほど税率が高くなっていきます。

  • 所得税額=課税所得金額×所得税率-税額控除

 税率と税額控除の金額は国税庁のWebサイトで確認できるため、計算するときは確認を忘れないようにしましょう。[注2]

[注2]国税庁|No.2260 所得税の税率

必要書類を税務署に提出

 ここまで計算できたら、必要な書類に記入して税務署に確定申告書を提出していきます。通常確定申告は、2月中旬~3月15日までに管轄の税務署に提出する必要があります。確定申告に必要となる書類は、以下の通りです。

【白色確定申告】

  • 確定申告書B

 収入や所得金額、計算した税額を記載する

  • 収支内訳書

 収入や原価、人件費や家賃などの費用を計算し、所得を記入する

  • 各種控除関係の書類

【青色確定申告】

  • 確定申告書B
  • 各種控除関係の書類
  • 青色申告決算書

 収入と経費を記載する「損益計算書」、「損益計算書の内訳」、資産や負債の状況を記載する「貸借対照表」を合計4枚作成

 これらの書類を自分で作成することが難しいという場合は、収入と経費を入力すれば自動的に必要な計算や書類の作成を行ってくれる会計ソフトの活用がおすすめです。白色確定申告であれば無料で使える商品も多いので、ぜひ活用してみてください。

一人親方が確定申告で計上できる経費

 一人親方の確定申告で重要なのは、必要な経費をきちんと収入から差し引き、正しい利益を算出することです。適正な範囲で経費を計上すれば大幅な節税も可能なため、面倒くさがらずにしっかりと経費を計上することが大切です。ここからは、一人親方が確定申告で計上できる経費について紹介していきます。

事業に関係する費用は基本的に経費になる

 確定申告をする際は、基本的に事業に必要となった費用をすべて経費として計上することが可能です。

  • 工具や資材などを含む材料費
  • ボールペンやコピー用紙などの消耗品費
  • 現場に行くためのガソリン代や高速道路代
  • 資材を現場に送るときの荷造運賃
  • 事務所として使っている自宅の家賃(一部のみ)
  • 仕事に使う携帯電話やネット代
  • 外注や専従者の報酬
  • 取引先を接待するときの飲食代
  • 組合や損害保険の費用 など

 上記のように、仕事と直接的に結びついているものであれば、ほとんどの費用が経費として計上可能です。経費である証拠を残すためにも、必ず領収書や取引先企業名などは記録として残しておくようにしましょう。

事業に関係しないものは計上しないように注意

 事業に関係ない費用は、例外なく経費として計上できないため注意してください。

  •  仕事用の車でレジャーにでかけたときのガソリン代
  • 取引先と個人的に飲食をしたときの費用
  • 事業とは関係ない人に渡す贈答品代 など

 「バレないだろう」と上記のような費用を計上してしまうと、税務調査などが行われた時に脱税だとみなされて、追徴課税が科されてしまう危険性があります。あくまで事業に関係する費用だけを計上し、税務署に目をつけられないように注意しましょう。

一人親方が確定申告する際に注意する2つのこと

 最後に、一人親方が確定申告をするときに注意したいポイントについて解説します。

「外注費」と「給与」の違い

 一人親方が確定申告で経費を計上する際に気をつけたいのが、誰かに仕事を手伝ってもらったときに支払う報酬です。その報酬が「外注費」にあたるか「給与」にあたるかによって課せられる税金が異なるため、正しく判断して計上する必要があります。

  • 外注費

 一時的な請負契約であるため源泉徴収がなく、社会保険の加入義務もない。

  • 給与

 長期に渡って雇用している場合は雇用契約になり、源泉徴収や社会保険の加入義務がある。


 このように給与のほうが、課せられる税金は多くなります。節税のために無理やり外注費として計上しても、税務調査が行われれば高確率でバレてしまうため、両者をしっかりと区別して計上することが大切です。

正確な利益確定のために棚卸しを行う

 一人親方が正確な利益を確定するためには「棚卸し」という作業が必要です。棚卸しは、簡単に言うと「在庫の管理」をする作業で、今ある在庫を把握して正しい利益や経費を算出することが目的で行われます。在庫として残っている材料などは「棚卸資産」呼ばれ、経費から除外する必要があります。実際に棚卸しをして売上純利益を算出する際は、以下の計算を行いましょう。

  • 売上純利益=売上-(仕入額-棚卸資産)

 年末時点で残っている材料は、税金対策のために経費計上ができません。「仕掛品」と呼ばれる棚卸資産として計上する必要があるため、十分に注意してください。

まとめ

【一人親方もしっかりと確定申告をしておくことが大切!】

 一人親方の中には、確定申告の必要性を認識しながらも申告を行わずに過ごしてしまっている人も多いです。しかし確定申告をしないと、税務調査があったときに追徴課税として多額の税金を科されてしまう危険性があります。最悪の場合、金融機関の融資や建設業の許可を受けられなくなってしまうこともあるため、確定申告や納税は欠かさずに行なっておきましょう。確定申告の際は、税金の計算方法や経費の計上方法など、知識がないと難しい経理作業も必要となります。

 困ったときは一人で悩まず、会計ソフトや税理士を活用しながら手続きを進めるようにしてください。