一人親方の解説

一人親方の労災保険③

 一人親方というと、通常は見習いとして親方に弟子入りをして技術研鑽に励み、技術をある程度身に着けたところで独立して一人親方になる。というように日本的な職業制度と思いがちですが、現在では外国人にも一人親方が多くなってきました。

 通常、一人親方の労災保険に特別加入する場合には本人確認の証明書が必要です。証明書として有効なものには運転免許証を提出する方が多いでしょうが、外国人の方は在留カードでの確認が一番有効ではないでしょうか。

 ところで、海外に旅行に行くにはパスポートが必要というのはご存知の方がほとんどと思います。また、入国するのにビザが必要というのもご存知かと思います。パスポート、ビザ、在留資格と何気なく使用する言葉には当然ですが意味があります。整理すると、パスポートとは身分証明書でその国(日本人なら日本政府)が発行するものです。対してビザは渡航先の国が発行する上陸許可証です。査証と言ったりもします。ビザを発行するのは、例えばフランス人が日本に入国する場合は在仏の日本大使館や領事館です。一人親方にとって大事なのは次に説明する在留資格です。

 在留資格とは外国人が日本で滞在し、活動するための根拠です。許可された活動のみ日本で行うことが可能となっており、同時に在留期限も決められます。在留資格には大きく分けて3種類あります。

  1. 就労制限がない在留資格
  2. 決められた範囲でのみ就労可能な在留資格
  3. 就労ができない在留資格

 3の就労できない在留資格は「留学」や「短期滞在」等がありますが、そもそも就労できないため一人親方の労災保険に加入する余地はありません。なお、許可を得れば1週28時間の範囲内で就労することが可能となります。資格外活動許可という制度です。しかし、この制度は本来の在留資格による活動内容に支障が出ることなく、また臨時的なものに限られているため一人親方として働くのは無理があります。

 問題は2の決められた範囲でのみ就労可能な在留資格です。建設業の一人親方として働く場合に該当しそうな在留資格は多くありません。該当しそうなのは「技術・人文知識・国際業務」と「経営・管理」ではないでしょうか。経営・管理は500万円以上の出資や従業員2名以上など非常にハードルが高く、一人親方として働く方は少ないでしょう。では、技術・人文知識・国際業務はどうでしょうか?技術・人文知識・国際業務は「理学、工学その他の自然科学分野に属する知識を必要とする業務」とされており、単純作業は該当しません。建設現場での作業であっても熟達した技術は必要なく、単純作業に該当すると考えられる業務に就く場合は該当しないと考えらます。

 結果として、問題ないのは3種類の在留資格のうち、1の就労制限がない在留資格となります。一人親方にもなれますし、労災保険にも加入できると考えてよさそうです。ちなみに、就労制限がない在留資格は「永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」があります。


 一人親方の労災保険の特別加入の本人確認をするにあたって、外国人の方の場合在留カードが一番有効ですが、最近は在留カードそのものの偽造が多いようです。入国管理局より
在留カードの真偽を確認するためのサイトが提供されていますので、一人親方団体としても事前の確認を徹底する必要があります。


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