建設業の一人親方の方必見!健康診断を受けて結果を放置せずに確認してみませんか?
年に1回は健康診断を受診されていますか?
一人親方は個人事業主にあたり、健康診断の費用は医療費控除に含めることはできず、経費としても計上できません。しかし、病気をして長期間入院や治療すると無収入なってしまうこともあり、健康管理はとても大切になってきます。
一人親方は仕事が原因のケガや疾病、あるいは通勤途上におけるケガは一人親方労災保険に特別加入をすることで治療費や休業補償を受けることができますが、私傷病については民間保険に入るなどして一人親方自身で用意する必要があります。しかし、大事なことは日々の健康管理にあることは言うまでもありません。そして健康管理にあたって健康診断は非常に重要なことです。
また、健康診断を受けたらしっかりと有効活用するようにしましょう。
今回は健康診断で必要な項目や結果の見方を解説していきます。日頃お酒の飲み過ぎや食べ過ぎで、健康診断受診前に改善したいと考える方も多くいます。そのような方は自宅でできる郵送検査を活用してみるのはいかがでしょうか。
目次[非表示]
- 1.健康診断とは
- 2.健康診断の血液検査の見方
- 2.1.肝機能
- 2.2.脂質
- 2.3.HDLコレステロールとLDLコレステロール
- 3.ケガや病気を未然に予防するには?
- 4.健康診断以外で血液を調べられる?
健康診断とは
健康診断は生活習慣病をはじめとする様々な病気の早期発見、早期治療はもちろん、病気の予防も目的に実施されています。
定期的に検査することで、自覚できない症状や体調不良を数字にして見逃さないようにしているのです。
しかし健診の内容は法律で定められている部分もあれば、年齢や自治体、業務内容によって変わる項目もあるので注意が必要です。
また医師が必要でないと認める時は検査を省略されることもあります。
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このうち、採血をし血液検査で実施する項目は6〜9です。
次の章で詳しく見ていきましょう。
健康診断の血液検査の見方
定期健康診断でおこなわれる血液検査は、「肝機能」「脂質」「血糖」「貧血」の検査が一般的です。
肝機能
肝機能検査は主に、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの3項目を確認します。
- AST(GOT)とALT(GPT)
肝臓に異常が発生し、細胞が壊された時に検査数値が上がる酵素です。
ST(GOT)は肝臓以外の心臓や筋肉にも含まれており、心筋梗塞のような心臓の病気でも高くなります。
ASTの数値だけが高くなっても、本当に肝臓に影響が出ているのかは他の検査をしないとわからないです。
一方、ALT(GPT)は肝臓に一番多く含まれていて、血液中に流れているものはほぼ肝臓由来の成分と言われています。
※ ALTは腎臓にも含まれています
非常に似た要素を持っているASTとALTですが、大きな違いが半減期といい、細胞が壊されて血液中に流れ出て無くなるまでの時間に差があります。
- ASTの半減期:11~15時間
- ALTの半減期:40~50時間
この半減期を考慮すると、ASTの方が高い時は、急性肝炎やアルコール性肝炎などがあり、ALTの方が高い時は慢性肝炎や肝臓が回復に向かっている状態と考えられます。
- γ-GTP
γ-GTPはタンパク質を分解する酵素で、肝臓の役割の1つにある解毒作用に関わっています。
肝臓で処理された老廃物は腸に排泄されますが、胆石やがんなどによって詰まると血液中に逆流してしまい数値が上がってきます。
飲酒量が多いと数値が上がることで有名ですが、最近はアルコールと無関係で起きる非アルコール性脂肪肝(NAFLD)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)といわれる病気も増えており注目されています。
脂質
脂質検査は主に、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の3項目を確認しています。
- 中性脂肪
中性脂肪は単に「脂肪」とも呼ばれ、体脂肪の大部分をしめる物質です。
イメージは動物性脂肪で、バターやラードのように常温では個体として存在しています。
そんな中性脂肪はエネルギー源になり、食べ過ぎたり飲みすぎたりして摂りすぎると、お腹や腕などに溜まって肥満の原因になってしまいます。
また血液検査を受ける際は、食後に高くなり、検査結果も高く出てしまいます。
検査を受ける際は、食後10時間以上絶食するのをおすすめします。
夕飯を食べて、朝は何も食べずに採血を受けるイメージです。
HDLコレステロールとLDLコレステロール
コレステロールは脂質の一種で、体に悪いイメージが強い方が多いのではないでしょうか。
実は体には必要なものなのですが、過剰になりすぎると動脈硬化の原因になると言われています。
代表的なものは、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールと、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールがあります。
上の2つ以外にも他にも種類がありますが、動脈硬化を抑える作用のあるコレステロールは善玉のHDLコレステロールのみになります。
HDLコレステロールは血管の中をお掃除してくれる物質で、血管内に溜まってしまった余分なコレステロールを回収してくれます。
では、血管内に溜まってしまったコレステロールとは?
それこそが悪玉と呼ばれるLDLコレステロールです。
コレステロール自体は、細胞膜やホルモン、脂肪を分解するための胆汁酸の材料になります。
細胞膜もホルモンも必要数作れたら、コレステロールは余ってしまいます。
余ったLDLコレステロールは血管に溜まり、HDLコレステロールに回収されるのを待ちます。
もしLDLの数値が高く、HDLの数値が低かったら、血管にどんどん溜まってしまいます。
HDLコレステロールの値とLDLコレステロールの値が基準値にあり、多くも少なくもない状態にあるのが理想ですので、ぜひ健康診断結果を取り出して確かめてみてください。
- 血糖
血糖の項目は「血糖値」と「HbA1c」のどちらかを検査していることが多いです。
血糖値は血液中のブドウ糖の数値を表しています。
検査項目の記載は「血糖値」か「グルコース」のどちらかが記載されていることが多いです。
食事の前後で上がったり下がったりするため、1日の中でも変動が激しい項目です。
食事をし、およそ1時間を目安に血糖値の数値が1番高くなり、だんだん下がって4時間以上経過で数値が落ち着くと言われています。
健康診断当日の朝食は食べずに採血した方が良いです。
また類似の項目に「HbA1c」があります。
こちらは直前の食事の影響で検査結果が変わらない項目で、過去1〜2ヶ月くらいの血糖値の平均を数値として反映しています。
血液中のブドウ糖が酸素を運ぶ赤血球に付いて消費されずに付いたままの数値を検査しています。
もし血糖値が高い状態が続くと、HbA1cも赤血球にたくさん付いてしまい高くなってしまいます。
- 貧血
女性は聞き馴染みがあり、理解されている方も多い症状のひとつかと思います。
貧血の時に測定する項目は、「赤血球数」「血色素量(ヘモグロビン濃度)」「ヘマトクリット値」の主に3種類が多いです。
血液は、細胞の成分と液体の成分に分けられます。
赤血球数は酸素や栄養を運ぶ細胞の数がちゃんとあるのかを調べます。
そして血色素量は、赤血球を作る成分のひとつであるヘモグロビンの濃度を調べて、しっかり酸素が運べるのか、細胞が作られているのかをみています。
またヘマトクリット値は血液の細胞と液体のバランスが保たれているのかを確認する項目です。
一般的に貧血と呼ばれる症状の時は、ヘモグロビンの量が少なく酸素を運ぶための赤血球が作れなくて、細胞が少なく、細胞の比重が少なくなっている状態です。
貧血は血液の病気以外にも、臓器の出血やがんなどで起きやすいため、全身の状態を把握するために有効な検査です。
ケガや病気を未然に予防するには?
一人親方は増加傾向にあるため、勤務頻度や労働時間によっては医療機関にかかる時間が中々捻出できない方もいらっしゃるかと思います。
業界全体の高齢化とともに、危険と隣り合わせの建築業は病気により事故を起こしてしまうリスクも上がってくると考えられます。
特に建築業は脳や心臓の病気になる方が多いことがわかっています。
背景としては、労働時間が長く、他の職種に比べ休日も少ない方が多いことが挙げられます。
心臓や脳の病気は命に関わることも多くあるため、忙しい中でも、年に1度は医療機関の受診をしてみましょう。
健康診断以外で血液を調べられる?
年一回の健康診断には行っているが、「健康診断はまだしばらく先なので血液検査だけしてみたい」「健康診断で肝臓の値がよくなかったので、食事等に気を付けてみた。結果がどうなっているか知りたい」などという方には・・・・
最近は自宅で指先に針を刺して血液検査ができる郵送検査もあります。
自宅で手軽に空いた時間にできるため、気になる方はぜひご活用ください。
一人親方団体労災センター共済会の一人親方の皆様向けに、3/8〜4/11の期間で下記のリンクより割引価格にて購入することができます。
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https://carepro.co.jp/landingpage/rousai_center_lp/
参考資料
厚生労働省資料「健康診断を実施しましょう
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf
厚生労働省資料「脳・心臓疾患の労災補償状況」https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/000644249.pdf
国土交通省資料「建設産業の現実と課題」