一人親方の解説

一人親方の判断基準④


 令和元年5月15日に国土交通省は第2回建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会が開かれました。長年にわたり、建設業従事者の長時間労働の抑制、教育訓練、社会保険に加入促進等の対策に取り組んできましたが、今年は一人親方化の抑制についても討議が行われました。

 会社とは独立した形を取っていても、実態は労働者的な側面があることが以前より指摘されてきました。労働時間が管理されていたり、会社内の後片付けをさせたり、給料として支払ったり、およそ請負とは思えないようなことをしていながら一人親方として扱い、社会保険の加入を逃れているケースが後を絶たず、国土交通省は適正な運用を推し進めるために一人親方の抑制化の施策を実行することとしています。

 一人親方なのか、労働者なのかについての判断基準は以前ご紹介した通りですが、留意すべきポイントが非常に多く却ってわかりづらい部分もありました。まずは下記のポイントにそって現状どのような契約なのか、どういう立場で仕事をしているのかを確認してみてはいかがでしょうか?

  1. 仕事を始める時間、終わる時間は一人親方が決めているのか?
  2. 仕事で使用する車両や道具は一人親方が用意するのか?
  3. 仕事の進め方は一人親方自身が決めているのか?
  4. 個人事業主として確定申告をしているか?
  5. 報酬の決め方は月や日単位ではなく、完全な請負契約か?
  6. 専属の会社があっても、他の会社からの依頼も受けることができるか?

 上記6つのポイントの中で5の「報酬の決め方は月や日単位ではなく、完全な請負契約か?」がわかりづらいところかと考えられます。請負契約とは民法によると「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」とあります。つまり、仕事が完成した後で報酬が支払われるわけです。これを一人親方に置き換えると下記のようになります。
 一人親方がその請け負った工事施工の完了した部分(「出来形」と言います)に対して請負代金を支払う出来高払いの契約形態。つまり、建設工事の仕上がり状況に応じて出来上がった部分に相当する請負代金を支払われているかどうかが非常に重要です。この出来高払いに対して、労働力の提供が契約内容となっている場合は仕事の出来・不出来に関係なく日数や労働時間に応じて報酬が支払われます。ここが大きな違いとなります。

 国土交通省が一人親方化の抑制のための対策を本格的に実施しようとしています。自身が本当に一人親方としての働き方なのか、また会社は使用している一人親方が本当に一人親方なのかどうかきちんと見極める必要があります。



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