一人親方ほど健康診断を受けるべき!適切な頻度やお得に受けるコツも紹介
個人事業主である一人親方は、健康を損なうと無収入になってしまう恐れがあります。さらに、セルフメディケーション税制の適用を受けるために健康診断は不可欠です。地方自治体や健康保険組合が提供している健康診断を受ければ安価に検査が行えます。ただし、健康診断の費用は経費にならないので注意が必要です。また、検査項目に漏れがないように十分注意しましょう。
健康診断は誰しも定期邸に受けることが勧められていますが、特に一人親方の方は健康診断を受ける必要があります。
しかし、健康診断には費用がかかるので、あまり頻繁には受けられないと考える方もいるでしょう。
当記事では、一人親方の方ほど健康診断を受けるべき理由と、お得に受けるコツについて詳しく紹介してきます。
目次[非表示]
- 1.一人親方ほど健康診断を受けるべき理由
- 1.1.一人親方の健康管理は自己責任
- 1.2.健康を損なうと無収入になる恐れがある
- 1.3.健康の意識向上につながる
- 1.4.セルフメディケーション税制の要件
- 2.健康診断を受ける3つの方法
- 2.1.加入している健康保険組合の健康診断
- 2.2.地方自治体の健康診断を受診する
- 2.3.人間ドック
- 3.年代別|おすすめの健康診断の頻度
- 3.1.20代半ばで1度健康診断を受けよう
- 3.2.30代になったら2年か3年に1度
- 3.3.40代は1年から2年に1度
- 4.一人親方がお得に健康診断を受けるコツ
- 4.1.自治体の一般健康診断を受ける
- 4.2.保険組合指定の健康診断を受ける
- 5.一人親方が健康診断を受ける際の注意点
- 5.1.健康診断の費用は経費にならない
- 5.2.必要な検診項目を欠かさないようにする
- 6.まとめ
一人親方ほど健康診断を受けるべき理由
会社員の方であれば、会社が決めた時期に健康診断を受けることが義務付けられますが、一人親方の方はそういった制度はありません。
自分が必要だと思った時に健康診断を受けることになるため、仕事が忙しいとついつい後回しになってしまうことでしょう。
しかし、実際には一人親方の方ほど、健康診断を頻繁に受けることが重要です。
では、なぜ一人親方の方に健康診断が必要なのか、4つの理由を見ていきましょう。
一人親方の健康管理は自己責任
一人親方の方ほど健康診断を受けるべきといえる理由の一つは、健康管理がすべて自己責任になるからです。
会社員の方の場合、会社が定期的に健康診断を受けさせてくれます。
これは労働安全衛生法に定められていることであり、違反した企業には罰金が科せられる可能性があります。
企業によっては、健康診断の時間も労働時間として、給料が支払われることも少なくありません。
しかし、一人親方の方はこうした制度はなく、自分で健康管理を行わなければならないのです。
自分で意識して健康診断を受けない限り、健康診断を受けさせてくれる人はいないことを覚えておきましょう。
健康を損なうと無収入になる恐れがある
一人親方の方が健康診断を受けるべき別の理由は、無収入になる恐れがある点です。
会社員の方であれば、健康を害してしまったとしても有休を使って休みをとれます。
さらに、中長期的な治療が必要な場合であっても傷病手当金が支給されるので、まったく無収入になることは考えにくいでしょう。
傷病手当金は給与のおよそ3分の2の金額が最長で1年半支給され、従業員が安心して治療に専念できるようになっています。
しかし、一人親方の方はそうしたサポートはなく、治療のために事業が継続できなくなればすぐに無収入に陥ってしまうのです。
さらに、健康を損なって事業がしばらく中断してしまえば、懇意にしていた取引先から契約を打ち切られてしまう恐れもあります。
健康診断を定期的に受けることも事業継続のための重要な仕事と考えることが重要なのです。
健康の意識向上につながる
一人親方が健康診断を意識して受ければ、健康への意識向上につながります。
自分の体がどんな状態にあるのか、生活習慣で何か改善すべき点があるかなどを知り、より健康的な生活ができるよう心がけるでしょう。
結果的に仕事を長く続けることができ、収入がアップしたり、スキルを向上させたりできるかもしれません。
セルフメディケーション税制の要件
2017年より、医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制が始まりました。
対象となる医薬品の購入費用の一部が所得から控除される制度で、一人親方にとって大きなメリットがあります。
セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、健康の維持増進のための取り組みをしていることが条件となるのですが、健康診断はその取り組みの一つと見なされます。
健康診断を受けていれば、セルフメディケーション税制の適用を受けられる利点があるのです。
健康診断を受ける3つの方法
一人親方が健康診断を受ける場合、いくつかの方法が考えられます。
ただ健康診断を受ければよいわけではなく、自分の体の悪いところを分析し、改善点を見つけることが重要です。
では、健康診断を受ける3つの方法について見ていきましょう。
加入している健康保険組合の健康診断
一人親方は、一般的に国民健康保険に加入していますが、それ以外にも業種ごとに健康保険組合が設置されている場合があります。
たとえば、弁護士や税理士など、特定の業種の人々が集まって健康保険組合を構成している場合には、国民健康保険以外にも選択肢があることになるでしょう。
こうした健康保険組合に加入していれば、指定の医療機関で健康診断が受けられます。
地方自治体の健康診断を受診する
一人親方が気軽に受信できる健康診断は、地方自治体が行っているものです。
住所地の市区町村が行っているものが多く、健康診断のお知らせが自宅に送られてくることもあるでしょう。
一般的な健康診断に比べると安価に受信できることが多く、自治体によっては無料で健康診断を行っているところもあります。
安価な分、尿検査や血液検査、レントゲン検査などの検査だけが行われますが、年齢や性別によって特別な健康診断が受けられる場合もあります。
人間ドック
一人親方が受けられる別の健康診断は、病院や健診センターで行われている人間ドックです。
人間ドックでは、特定の部位に特化した検査や、泊りがけで行う検査など、さまざまなサービスが病院ごとに提供されています。
かなり詳しく検査することも可能ですが、費用が自己負担になるため病院によってはかなり高額になることも珍しくありません。
一般的には1万円前後から数万円ほどになると考えておくとよいでしょう。
年代別|おすすめの健康診断の頻度
一人親方は積極的に健康診断を受けるべきですが、受診の頻度は年齢によって異なるはずです。
当然、若い20代の方と40代の方では、健康診断を受けるべき頻度は異なります。
では、年代別に、おすすめの健康診断の頻度を見ていきましょう。
20代半ばで1度健康診断を受けよう
20代の一人親方の場合、20代の半ばで1度しっかりと健康診断を受けておくことが勧められています。
20代の方の場合、健康診断や人間ドックはそれほど必要ないと感じるかもしれません。
若い、まだ体のどこにも不調を感じていない、仕事が忙しいなどの理由で、ついつい健康診断を後回しにしてしまうでしょう。
確かに20代の方はまだ健康であることが多いので、それほど頻繁に健康診断が必要というわけではありません。
それでも食生活の欧米化などの理由により、基本的な検査を受けておくのが賢明でしょう。
20代の半ばにさしかかったあたりで、一度健康診断を受ける人も多くいます。
30代になったら2年か3年に1度
30代の一人親方は、2年から3年ごとに健康診断を受けるとよいでしょう。
30代であればまだまだ健康診断など必要ないと感じる方もいますが、徐々に病気のリスクが高まってくる年代です。
とくに胃がんは、30代でリスクが高まるので、定期的な健康診断で早期発見を目指しましょう。
40代は1年から2年に1度
40代になると、病気のリスクが一気に高まるため、1年ごと、あるいは2年ごとに健康診断を受けることをおすすめします。
基本的な検査はもちろんのこと、がん検査やピロリ抗体検査など、特定の分野に特化した健康診断を受けることを検討しましょう。
一人親方がお得に健康診断を受けるコツ
一人親方が健康診断を受ける場合、できるだけ費用を抑えたいと思うのは自然なことです。
では、一人親方がお得に健康診断を受けるコツについて見ていきましょう。
自治体の一般健康診断を受ける
もっとも一般的な方法は、地方自治体が提供している健康診断を受診することです。
血圧測定や血液検査、レントゲンなどの検査を行うことができ、多くの場合1,000円前後、もしくは無料です。
年齢によってはさらに詳しい検査が無料で受けられるので、確認してみましょう。
保険組合指定の健康診断を受ける
会社員だった方は、加盟していた保険組合で手続きを行うことで2年間健康保険を継続できます。
保険組合指定の健康診断であれば、組合から補助金が出るため安価に健康診断を受けられるでしょう。
一人親方が健康診断を受ける際の注意点
一人親方は意識して健康診断を受ける必要がありますが、受診の際には覚えておくべき注意点があります。
一人親方にとっては重要なポイントとなる注意点を2つ見ていきましょう。
健康診断の費用は経費にならない
最初の注意点は、健康診断の費用が経費にならない点です。
一人親方は法律で健康診断が義務付けられているわけではないので、健康診断にかかる費用が個人的な支出と見なされてしまうのです。
さらに、家族を青色事業専従者にしている場合でも、その家族の健康診断の費用は経費にできません。
一方で、一人親方が個人事業主として従業員を雇用する場合、もはや一人親方ではなくなり、雇用している人に健康診断を受けさせることが義務付けられており、経費として計上できます。
必要な検診項目を欠かさないようにする
一人親方が健康診断で注意すべき別のポイントは、必要な検診項目を欠かさないようにすることです。
健康診断ではさまざまな検診項目があります。
基本的な項目はどんな検診でも網羅されていますが、特定の年齢や性別の方が特別に受けるべき検診項目もあります。
たとえば、労働安全衛生法によれば、35歳の方は貧血検査、肝機能検査、血中資質検査、血糖検査などの検診を受けることが定められています。
一人親方は労働安全衛生法に従って受診する必要はありませんが、可能であればこれらの検診項目も受診しておくとよいでしょう。
さらに、女性の方であれば子宮頸がん検診やマンモグラフィーなどの検診も定期的に必要となります。
まとめ
一人親方は意識して健康診断を受けよ
一人親方は、誰からも健康診断を受けるよう促されることがないかもしれません。しかし、今では比較的安価に、健康診断を受けることができます。
健康を損なうと収入を失うことに直結するので、ぜひ定期的に健康診断を受けるようにしましょう。