【一人親方の約4割が労災保険に「加入していない」実態】 

加入していないことによる不安は「事故にあったときの治療費」が最多で約7割が回答

〜さらに半数以上が2022年猛暑で危機意識の高まりを実感、この夏、有効だった熱中症対策とは?〜

労災センター共済会(本社:東京都江東区、代表:齊藤 学、https://hitorioyakata.or.jp/)は、建設業の一人親方109名に、一人親方の熱中症に関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。

調査サマリー

一人親方の熱中症に関する実態調査

調査概要  

調査概要:一人親方の熱中症に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年9月26日〜同年9月28日
有効回答:建設業の一人親方109名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

≪利用条件≫
1 情報の出典元として「労災センター共済会」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://hitorioyakata.or.jp/

一人親方の4割以上が労災保険に特別加入しておらず

「Q1.あなたは、労災保険に特別加入していますか。」(n=109)と質問したところ、「加入している」が54.2%、「加入していない」が44.0%という回答となりました。
労災保険の特別加入
  • 加入している:54.2%
  • 加入していない:44.0%
  • わからない/答えられない:1.8%

未加入の理由、「加入するきっかけがないだけで特に理由はない」が33.3%で最多

Q1で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q2.Q1で回答した以外に、労災保険に特別加入した理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=98)と質問したところ、「加入していないと仕事が出来ない」や「怪我した時に自己責任になる為」など63の回答を得ることができました。
労災保険未加入の理由
  • 加入するきっかけがないだけで特に理由はない:33.3%
  • 保険料が高いから:31.2%
  • 加入の手続きが面倒臭いから:14.6%
  • どれに加入して良いか分からないから:12.5%
  • 万が一に備え、貯蓄を十分にしているから:4.2%
  • 自分は労災事故にあわないと思っているから:4.2%
  • せっかく労災保険に加入したのに、労災が使えない場合があるから:2.1%
  • その他:8.3%
     ー53歳:労災保険の加入対象では無い
     ー52歳:加入出来ないといわれているので
     ー65歳:定年
  • わからない/答えられない:8.3%

他にも「個人自営業なので労災の必要性が低いと感じている」や「労災事故に遭う環境に無い」などの理由も

Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に、労災保険に特別加入していない理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=44)と質問したところ、「個人自営業なので労災の必要性が低いと感じている」や「労災事故に遭う環境に無い」など20の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>

  • 60歳:個人自営業なので労災の必要性が低いと感じている。
  • 50歳:労災事故に遭う環境に無い。
  • 55歳:詳しくないから。
  • 53歳:職種が加入対象でない。
  • 64歳:自分の貯蓄、傷害保険で対応。
  • 64歳:個人で加入するのは面倒な感じなので。

一方で、2割以上は労災保険に特別加入していないことに危機感を感じる声

Q1で「加入していない」と回答した方に、「Q4.あなたは、労災保険に特別加入していないことに危機感を持っていますか。」(n=48)と質問したところ、「非常に危機感を持っている」が6.2%、「やや危機感を持っている」が18.8%という回答となりました。
労災保険未加入の危機感
  • 非常に危機感を持っている:6.2%
  • やや危機感を持っている:18.8%
  • あまり危機感を持っていない:41.7%
  • 全く危機感を持っていない:25.0%
  • わからない/答えられない:8.3%

特別加入していない66.7%が「事故にあったときの治療費」を不安視

Q4で「非常に危機感を持っている」「やや危機感を持っている」と回答した方に、「Q5.どのような危機感を持っているか具体的に教えてください。(複数回答)」(n=12)と質問したところ、「万が一事故があった時に貯蓄だけで治療費を賄えない恐れがある」が66.7%、「万が一事故があった時に廃業になる恐れがある」が41.7%、「家族に迷惑/心配をかける恐れがある」が33.3%という回答となりました。
労災保険未加入の具体的危機感
  • 万が一事故があった時に貯蓄だけで治療費を賄えない恐れがある:66.7%
  • 万が一事故があった時に廃業になる恐れがある:41.7%
  • 家族に迷惑/心配をかける恐れがある:33.3%
  • 労災保険に加入していないと案件を受注できない恐れがある:0.0%
  • 周りが加入しているため、自分だけ加入していないと不安:0.0%
  • その他:0.0%
  • わからない/答えられない:25.0%

この夏、例年より仕事が忙しくなったと感じる一人親方は約2割

「Q6.この夏、コロナ禍で減っていた発注が戻り、例年よりお仕事が忙しくなったと感じていますか。」(n=109)と質問したところ、「非常にそう感じる」が4.6%、「ややそう感じる」が15.6%という回答となりました。
一人親方のコロナ禍後の仕事
  • 非常にそう感じる:4.6%
  • ややそう感じる:15.6%
  • あまりそう感じない:49.5%
  • 全くそう感じない:27.5%
  • わからない/答えられない:2.8%

2022年猛暑で「熱中症に対する危機意識の高まり」を半数以上が実感

「Q7.この夏、例年と比較した熱中症に対するあなたの危機感の変化について教えてください。」(n=109)と質問したところ、「非常に危機感が高かった」が17.4%、「やや危機感が高かった」が36.7%という回答となりました。
熱中症
  • 非常に危機感が高かった:17.4%
  • やや危機感が高かった:36.7%
  • あまり危機感は高くなかった:31.2%
  • 全く危機感は高くなかった:10.1%
  • わからない/答えられない:4.6%

この夏に有効だった熱中症対策は、41.3%が「休憩所に経口補水液・スポーツドリンクを常備」と回答

「Q8.この夏、最も有効だった熱中症対策を教えてください。(複数回答)」(n=109)と質問したところ、「経口補水液やスポーツドリンクを休憩所に常備」が41.3%、「ファン付き空調服の着用」が31.2%、「現場の気象情報の事前把握」が18.3%という回答となりました。
建設現場の熱中症対策
  • 経口補水液やスポーツドリンクを休憩所に常備:41.3%
  • ファン付き空調服の着用:31.2%
  • 現場の気象情報の事前把握:18.3%
  • 大型扇風機やファンの設置:16.5%
  • 出勤時刻の前倒し:6.4%
  • 足場に遮光ネットやドライミストの設置:1.8%
  • その他:1.8%
     ー42歳:ひんやりタオル
     ー53歳:こまめな休憩
  • 特にない:25.7%
  • わからない/答えられない:0.9%

他にも「よく寝てよく食べてよく水分をとってよく休憩する」など基本的な注意がけが熱中症を予防するという意見も

Q8で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q9.Q8で回答した以外に、この夏、最も有効だった熱中症対策があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=108)と質問したところ、「よく寝てよく食べてよく水分をとってよく休憩する」や「早朝作業時間の前倒し」など57の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>

  • 31歳:よく寝てよく食べてよく水分をとってよく休憩する。
  • 64歳:早朝作業時間の前倒し。
  • 39歳:やはりこまめな水分&塩分補給が効果的だった。
  • 58歳:保冷材を使う。
  • 57歳:天候を見ながらプログラムを作成した。
  • 64歳:濡れタオルを首に巻いて日陰やファンの近くで休む。
  • 59歳:休憩を多くとる。

まとめ 

 今回は、建設業の一人親方109名に、一人親方の熱中症に関する実態調査を実施しました。
 一人親方の4割以上がきっかけを逃したことで労災保険に特別加入しておらず、特別加入していないことで66.7%が「事故にあったときの治療費」に不安を抱えている実態が明らかに。
 また、2022年の猛暑でニュースでも脱マスクなどが叫ばれ、「熱中症に対する危機意識の高まり」を半数以上が実感していたことが判明しました。そこで、この夏の有効だった熱中症対策を伺うと、「経口補水液やスポーツドリンクを休憩所に常備」や「ファン付き空調服の着用」を実施した人が多く、他にも「睡眠・食事・水分補給・こまめな休憩」といった基本的な注意がけが一番大切だという意見も挙がりました。
 世界各地で異常気象が続く中で、日本の暑さも年々厳しくなっています。2022年の夏も例年以上の記録的暑さが続き、熱中症で病院に運ばれる人が相次ぎました。外現場の業種の人は、人一倍熱中症対策に力を入れており、建設業の一人親方も熱中症対策に余念がないようです。労災保険に加入をしていない人の不安の多くは治療費のようですが、現場作業においては、熱中症で倒れるだけがリスクではなく、熱中症が原因で大きなケガに繋がる可能性も高いです。来年からも記録的な猛暑が続くことが予想される日本において、熱中症対策をより万全な体制にするには、ケガをした際のリスクヘッジとして労災保険の加入も視野に入れる一人親方が増えるかもしれません。
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